自治医科大学アレルギー膠原病学では毎週医局員が交代で抄読会を行っております。

出典:Clinical Rheumatology(2019) 38:3493-3499 より、
Subtypes in eosinophilic granulomatosis with polyangiitis classified according to rheumatoid factorを読みました。

慶応義塾大学病院で診断された16名の好酸球性多発血管炎性肉芽腫症患者における
RFを8名ずつ75 IU/mLより高い群と低い群に分け、臨床的特徴
を分析したものです。
RF高値群はすべてMPO-ANCA陰性、RF低値群は
MPO-ANCA陽性かつ
中央値103 IU/mL、好酸球数はRF高値群の方が有意に高く、
病変としてはRF高値群で
胃腸に多く、RF低値群で心臓や腎臓に多いという
結果でした。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症は病変部位が多彩であり、
経過を追ううえで難渋する
場面によく遭遇すると思われ、この論文が示唆
するようにRFで病態を区分できるので
あれば、今後の臨床に大いに
役立つと考えました。

Bajema IM, et al. Revision of the ISN/RPS classification for lupus nephritis: clarification of definitions, and modified NIH activity and chronicity indices. Kidney Int 93:789-96, 2018.

ループス腎炎の組織学的分類にISN/RPS分類が使用されますが、さらなる再現性改善を求めて2018年に同分類の改訂案が示されました。主な変更点は、IV型においてS/Gの亜分類が撤廃されることや、活動性評価がA、A/C、Cから改訂版NIH活動性分類へ変更されることなどです。まだ改訂「案」の段階ですので、今後の動向が注目されます。

担当 S