自治医科大学アレルギー膠原病学では毎週医局員が交代で抄読会を行っております。
Six‐month flare risk after discontinuing long‐term methotrexate treatment in patients having rheumatoid arthritis with low disease activity.
Int J Rheum Dis (online)
目的:メトトレキサート(MTX)により低疾患活動性(LDA)を達成した関節リウマチ(RA)患者の再燃率とその再燃に関与する要因を検討する。
方法:後方視的に、MTXを10年以上服用し、LDAまたは寛解状態のRA患者を対象とした。再燃とは、MTX中止後半年以内に、DAS28-ESR>1.2以上とした。
結果:合計97人のRA患者。平均DAS28-ESR 1.96±0.56、MTX総投与量11.7g(中央値)、MTX服用期間19年(中央値)。再燃は43人(44.3%)にみられ、再燃までの中央値は99日(28-168)日。単変量解析では、中止時のCRP、中止時のESR、中止前半年間の平均ESR、中止前のMTX投与量、他の合成DMARD併用が再燃と関連した。多変量解析では、中止前のMTX投与量が再燃と関連した(OR 1.014, CI 1.014-1.342;
P= 0.031)。
結論:長期MTX治療によりLDAを達成している患者では、半数以上の患者が再発しなかった。MTX中止前の、より多いMTX投与量が高い再発率と関連していた。
バイオ製剤やJAKiを併用している患者が2割弱含まれ、観察期間が6カ月と短いですが、長期寛解患者なら1/3程度はMTXフリーになる可能性があり、試してもよさそうです。
担当 N