自治医科大学アレルギー膠原病学では毎週医局員が交代で抄読会を行っております。
Rheumatology (Oxford). 2021 Jan 4;keaa819. doi: 10.1093/rheumatology/keaa819. Online ahead of print.
Elevated carcinoembryonic antigen predicts rapidly progressive interstitial lung disease in clinically amyopathic dermatomyositis
目的:CADMにみられるILDの重症度とCEAとの相関を明らかにする。
方法:後方視的研究。悪性腫瘍のない41人の中国人のCADM患者で、CEAと疾患活動性の指標との関連を検討した。
結果:16人(39%)がRP-ILDを発症した。そのうち14人(87.5%)がCEAが基準値以上だった。多変量解析では、CEAの上昇がRP-ILDの独立した危険因子だった。CEAが基準値を超えた割合は、RP-ILD vs non-RP-ILD で87.5% vs 16%だった(p<0.001)。CEAの値は、同様に26.87μg/l vs 3.23 μg/lとRP-ILDで高値だった(p<0.001)。CEAはAST、ALT、LDH、フェリチン、肺のCTスコアと相関し、画像ではOPパターンと下肺野のconsolidationと相関した。累積生存率は、CEA 8.75を規準として、低値vs高値では高値群で有意に悪かった( 68.4% vs 31.6%)(p<0.001)。
結論:CEA高値はCADMにみられるRP-ILDの強力な予後予測因子である。
感想:目の付け所がいい研究でした。KL-6が指標になるのだからCEAも同様と推測できるが、誰も研究していませんでした。CA19-9で調べても、同様の結果になるかもしれません。
担当N