自治医科大学アレルギー膠原病学では毎週医局員が交代で抄読会を行っております。

Renal involvement in eosinophilic granulomatosis with polyangiitis (EGPA): a multicentric retrospective study of 63 biopsy-proven cases Rheumatology (Oxford). 2021 Jan 5;60(1):359-365.

目的:好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の腎障害はまれである。腎生検を施行した
EGPAを大規模コホートから調査する。
方法:1990年ACR基準または2012年CHCCまたはMIRRA studyで用いられた基準を満たした
EGPAで腎生検をした症例を後方視的に多施設から調査した。

結果:63人の患者(女性:27人、年齢中央値:60歳)。血管炎診断時に腎症状が見られた
のは54人(86%)。ANCA陽性 53人(84%)、そのうちMPO-ANCA陽性 44人(83%)。
例で過去に喘息あり。末梢神経障害29人(46%)、肺胞出血10人(16%)。最も多い腎症
状は急性腎不全(75%)。腎生検ではpauci-immune necrotizing GNが49人(78%)と最も
多かった。ANCA陰性群では、膜性腎症(10%)、膜性増殖性糸球体腎炎(3%)が多かっ
た。純粋な急性間質性腎炎が6人(10%)、有意な間質の炎症は28人(44%)に見られた。
全例がステロイドで治療され、免疫抑制薬併用は54人(86%)。経過観察期間中央値51か
月(範囲:1ー296か月)で、58人(92%)が生存、9人(14%)が透析、2人(3%)が腎移
植を受けた。

結論:ANCA陽性EGPAではnecrotizing pauci-immune GNが最も多い表現型だった。
ANCA陰性
ではしばしば非典型的な腎病変(膜性腎症など)が見られた。有意な好酸球の間質への浸
潤は50%近くの症例に見られた。

感想:EGPAでは血清IgG4上昇が有名ですが、それを反映してか、膜性腎症が見られること
は納得の結果でした。

担当 N