自治医科大学アレルギー膠原病学では毎週医局員が交代で抄読会を行っております。

Rheumatology (Oxford). 2021 May 14;60(5):2348-2354.
Acute exacerbation of rheumatoid arthritis-associated interstitial lung disease: clinical features and prognosis

目的:関節リウマチに伴う間質性肺疾患(RA-ILD)は急性増悪(ILD-AE)することがある。
この研究ではILD-AEの臨床的特徴や危険因子、死亡率を調査する。

方法:2007年~2019年に入院したRA-ILD患者(n=165)を対象とした。ILD-AEを起こした
患者と起こさなかった患者を比較し、ILE-AEに関連する危険因子を同定した。生存した患者と
死亡した患者の特徴も比較した。

結果:患者の平均年齢 73.6歳、97人(71.9%)は女性だった。30人(22.2%)の患者が
ILD-AEを
発症し、13人(43.3%)が死亡した。多変量解析では、usual interstitial pneumonia (UIP)パターンがILD-AEと関連した(OR 2.55, 95%CI 1.05-6.20, P=0.038)。Cox比例分析ではUIPパターンが死亡と関連したが(HR 4.67, 95%CI 1.02-21.45, P=0.048)、MTX使用は生存と関連した(HR 0.16、95%CI 0.04-0.72, P=0.016)。

結論:UIPパターンはILD-AEの発症と関連していた。UIPパターン、MTX非使用がILE-AEの
死亡と
関連した。

感想:ILD-AEは、約半数が助からないというのは妥当な数字です。ILDは画像上の広がりや
肺機能によって重症度は異なります。MTXの使用が生存と関連したのは、MTXが使用できる、もともとILDが軽症の患者だった可能性があります。RA患者では、MTX使用者が感染症が
少ない、
と同じ考え方です。

担当 N