自治医科大学アレルギー膠原病学では毎週医局員が交代で抄読会を行っております。

Methotrexate-Associated Pneumonitis and Rheumatoid Arthritis-Interstitial Lung Disease: Current Concepts for the Diagnosis and treatment
(Rheumatology 2019 Oct 10.)
RA-IPMTXによる薬剤性肺炎の鑑別が難しい症例があり、読んでみました。

 MTXによる薬剤性肺炎とRA-IPの鑑別には、結局はIP発症の速度とMTXを内服してからのタイミングが大切である。MTXによる薬剤性肺炎は急性~亜急性に進行して内服開始後1年以内に発症し、それ以降は発症率は低下するのに対し、RA-IPは慢性に進行して病勢と並行して悪化することが多い。しかし、いずれも例外はあり鑑別が難しいこともある。MTXによる薬剤性肺炎には、好酸球増多や急性期のリンパ球減少がみられることがある。
治療についてはMTXによる薬剤性肺炎ではMTXを休薬しPSL投与、RA-IPへもPSL投与だが、PSLで効果不十分時は生物学的製剤のアバタセプト、トシリズマブ、リツキシマブのいずれかを使用するとの内容でした。
 結局は経過から推測するしかなく明確に分けられるものはないことを再確認しました。RA-IPの治療では、ステロイド無効時は他の免疫抑制剤を飛ばして生物学的製剤を推奨していた点に驚きました。

担当 Y