


現在、Vici症候群の確立した診断基準はありません。
確実例:Vici症候群の主たる症状(発達遅滞、脳梁欠損、眼・皮膚白色症、易感染性、心筋症、白内障)を認め、EPG5遺伝子の両方のアレルに病因となる変異が同定されると確定診断になります。発達遅滞と脳梁欠損は必須の症状ですが、それ以外の症状は必ずしも認めないこともあります。また、年齢と共に出現し、乳児期には認めないこともあるので、注意が必要です。
疑い例:Vici症候群と共通した症状を認めても、EPG5遺伝子に変異が同定されない場合は疑い例となります。
Vici症候群では重度発達遅滞、脳梁欠損、繰り返す感染、肝機能障害が認められ、これは海外の報告と同じ結果でした。
主要症状 | 本調査 | |
---|---|---|
発達遅滞 |
13/13 | 100% |
脳梁欠損 |
13/13 | 100% |
繰り返す感染 |
10/13 | 77% |
肝機能障害 |
13/13 | 100% |
Vici症候群では高口蓋、眼・皮膚低色素症、てんかん、心筋症、白内障、発育遅延、筋緊張低下、胃食道逆流、小頭症などが認められました。
参考所見 | 本調査 | |
---|---|---|
高口蓋 |
9/11 |
82% |
眼・皮膚低色素症 |
10/10 |
100% |
てんかん |
11/13 |
85% |
心筋症 |
6/13 |
46% |
白内障 |
2/12 |
17% |
発育遅延 |
11/13 |
85% |
筋緊張低下 |
13/13 |
100% |
胃食道逆流 |
10/11 |
91% |
小頭症 |
10/11 |
91% |
Vici症候群は小児期に死亡する可能性のある疾患です。
多くのVici症候群の患者さんは医療的ケアを必要とします。
医療的ケア | 本調査 | |
---|---|---|
経管栄養 |
9/11 |
82% |
経鼻経管栄養 |
2 |
|
胃瘻 |
7 |
|
非侵襲的換気療法 |
3/11 |
27% |
気管切開 |
4/11 |
36% |
在宅免疫グロブリン皮下注射 |
3/11 |
27% |