歯科後期研修カリキュラム

主として他の医療機関からの紹介患者を対象として、⼝腔悪性腫瘍、顎変形症、良性腫瘍、顎顔⾯領域の外傷、炎症、先天異常、嚢胞、⼝腔粘膜疾患、顎関節症などの疾患に対して、外科的治療を⾏うとともに⼝腔インプラント治療を含めた咬合再建治療を⾏っている。

研修概要

⼝腔外科専⾨医の取得を⽬標として研修を⾏う。すなわち、既に⾏った2年間の卒後臨床研修に加え、後期研修では、①基本的な⻭科診療、②有病者の⻭科治療と外来⼿術、③⼝腔外科的疾患の診断および処置法、④より⾼度な⻭科治療、⑤⼊院患者、全⾝⿇酔による⼿術患者の周術期管理、全⾝⿇酔などを習得する。

到達⽬標

①難易度の高い歯科口腔外科的疾患に対する診療技術の向上。
②日本口腔外科学会認定医・専門医、日本口腔科学会認定医を始めとする各種学会認定医の取得。

週間スケジュール

午前 ⽉曜⽇ ⽕曜⽇ ⽔曜⽇ ⽊曜⽇ ⾦曜⽇
午後 ⽉曜⽇ ⽕曜⽇ ⽔曜⽇ ⽊曜⽇ ⾦曜⽇
腫瘍外来、CCT(⼝蓋裂ケアチーム)外来 摂⾷嚥下外来(隔週) NSTカンファレンス、⼝腔機能カンファレンス(⽉1回)、CCTカンファレンス 教授回診、症例検討会、術前・術後カンファレンス、放射線治療カンファレンス(隔週)、医局会、抄読会

研修協⼒病院

⾃治医⼤附属さいたま医療センター、那須⾚⼗字病院、協和中央病院、鎌ヶ⾕総合病院、芳賀⾚⼗字病院、栃⽊県⽴がんセンター、古河総合病院、JCHO相模野病院

専⾨医受験資格のための必要とされる技能・⼿技⽬標

専⾨医は最低6年の卒後研修が必要であるが、後期研修の間に100例の⼿術経験(術者として)および40例の⼊院管理症例を報告できるようにする。研修すべき治療法・⼿術法は、①埋伏⻭抜⻭術、②顎⾻観⾎的整復術、③悪性腫瘍⼿術、④頸部郭清術、⑤上顎⾻・下顎⾻⾻切り術、⑥良性腫瘍⼿術、⑦インプラント埋⼊術、⑧⾻移植術、⑨⼝蓋形成術など

経験できる症例

  1. 悪性腫瘍:⼝腔扁平上⽪癌、唾液腺癌、⾁腫、悪性黒⾊腫など
  2. 顎変形症:上顎前突、下顎前突、交差咬合、開咬など
  3. 先天異常:⼝唇⼝蓋裂、巨⾆症
  4. 外傷:顎⾻⾻折、顎関節⾻折、頬⾻⾻折、⼝腔粘膜および軟組織裂傷
  5. 嚢胞:⻭原性嚢胞・⾮⻭原性嚢胞、軟組織嚢胞
  6. 粘膜疾患:再発性アフタ、⽩板症、扁平苔癬、カンジダ症など
  7. 良性腫瘍、⾮⻭原性腫瘍
  8. 炎症:⻭周炎、智⻭周囲炎、⾻炎、⾻髄炎、蜂巣炎など
  9. 顎関節疾患:顎関節症、顎関節強直症など
  10. ⻭科インプラント治療:⻭⽛⽋損、顎堤⽋損など

指導医からのメッセージ

早期から様々な疾患を経験でき、多くの⼿術に携われる為、より専門性の高い診療能力の獲得が期待できます。⾃治医⼤⻭科⼝腔外科で研修を受けたと胸を張って⾔えるように、われわれ指導医も熱意を持って接していきたいと思います。⼤学院への進学を希望する場合は、適宜受験することが可能です。⼝腔外科医を⽬指す先⽣は、是⾮⼤学院への進学をおすすめします。