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各科初期研修カリキュラム

産婦人科

腫瘍部門、周産期部門、生殖内分泌部門の3部門すべての患者さんを多数診療しています。腫瘍部門では,卵巣癌,子宮癌(頚癌,体癌)の集学的治療を得意としています.婦人科悪性腫瘍数は全国大学病院のベスト3に数えられ,とくに難治性の卵巣癌の紹介が多く,北関東の中核として活躍しています.周産期部門は総合周産期母子医療センターを併設し,合併症妊娠やハイリスク妊娠の治療を多数手がけています.妊娠高血圧症候群,前置胎盤,多胎妊娠の診療は特に得意としています.分娩数は年間約1,100例,うち多胎(双胎)は80~100例で,全国大学病院の5本指の1つにも数えられています.生殖内分泌部門では ART,すなわち,体外受精・ 胚移植(IVF-ET)、顕微授精(ICSI),凍結 胚移植(F-ET)などを行なっています.当科のART は良好な妊娠率を示しています.例えばIVF-ETのETあたりの妊娠率は全国平均約20%に対し当科では30%内外です. また,経腹的腹腔鏡・経腟的腹腔鏡・子宮鏡等の内視鏡検査や腹腔鏡下手術・レゼクトスコープによる子宮腔内手術等の治療も積極的に行っています.

指導医(人数) 35名
専門医(人数) 45名
指導医・専門医(氏名) 松原茂樹藤原寛行

研修概要

周産期(産科)、婦人科腫瘍、生殖内分泌不妊部門のいずれかで研修を行います。多数の症例を経験し、その過程で産婦人科の実地技能と知識を修得していただきます。

研修内容(1~3ヶ月間)

1ヶ月コース:周産期および腫瘍ではそれぞれ5-10名内外の入院患者さんを受け持ちます。生殖内分泌・不妊については主に外来診療を経験してもらいます。本コースでは、研修医に産婦人科の診療の流れを理解させることを目的としています。

3ヶ月コース:1ヶ月コースの3倍の症例を経験できます。どれか1つの分野に力点をおいて研修する場合と2つの分野を選択する方法があります。いずれの研修プログラムを採用するかは、研修医各人の希望を重視します。回診や検討会・勉強会を利用して、他分野の知識習得に努め、産婦人科全体がまんべんなく研修できるように配慮します。3か月研修の最終段階では、多数の臨床症例を学び、手術においても開腹閉腹に参加ができるようになります。

到達目標

(1)一般目標(GIO)
① 産科婦人科の患者の特性を理解し、暖かい心を持ってその診療にあたる態度を身につける。
②産科婦人科患者を診察し、適切な診断、治療を行うと共に、各疾患の予防的な方策も指示できる臨床能力を身につける。
③あらゆる年代の女性の、すべての健康問題に関心を持ち、管理できる能力を身につける。 

(2)個別目標(SBO)
以下は1 月ローテート用のチェックリストです。( ▲は3ヶ月ローテートの目標)
産婦人科診察法(視診、双合診、触診、echo 診等)の一般的手順が云える。

1)産科(周産期医学)
プレグノグラム(妊娠経過図)の判読。
パルトグラム(分娩経過図)の判読。
指導医・助産師とともに正常分娩5 例を経験。
指導医とともに正常分娩の会陰縫合を2 例経験。
帝王切開の適応がいえる。助手を5例経験。      
子宮内容除去術を経験(▲指導医とともに実施)
多胎妊娠、切迫早産、妊娠高血圧症候群、妊娠悪阻、前置胎盤の患者を受け持つ。それぞれの治療法がいえる。
超音波でBPD(胎児大横径)、FL(大腿骨長)、EFBW(胎児推定体重)、AFI(amniotic fluid index)、胎盤位置,(▲頸管長)が測定できる。
NST・CTG(胎児心拍数図)を合計20 例判読。
新生児のアプガールスコアの判定。
新生児の足底採血ができる。
新生児の哺乳量、体重変化、黄疸について正常か異常かを判別できる。

2)婦人科および婦人科腫瘍学
クラミジア感染症の診断、治療方法がいえる。良性卵巣腫瘍、子宮筋腫、子宮内膜症の手術適応、薬物治療についていえる。
婦人科癌(子宮頸癌、子宮体癌,卵巣癌)の診断とstage 分類ができる。(▲stageと組織型及び患者背景に応じた婦人科癌の治療法がいえる)
(▲白金製剤を含めた抗癌剤や放射線療法について具体的方法、副作用、副作用回避方策をいえる。)
良性腫瘍(子宮筋腫、卵巣腫瘍など)の手術の助手3例以上。
広汎子宮全摘または卵巣癌根治手術の手術の助手1例以上。
(▲指導医とともに開腹、閉腹をする。)
子宮外妊娠の診断、治療方針がいえる。
超音波画像(子宮筋腫、卵巣腫瘍)をみた。

3)生殖内分泌・不妊
BBT(基礎体温表)を5 例判読。不妊症の系統的原因検索法がいえる。
排卵誘発剤の適応、副作用、副作用予防方法がいえる。
AIH およびIVFの適応,その手順がいえる。
超音波で卵胞径の計測ができる
(▲子宮内膜厚の計測ができる。PCTを実施。AIHを実施。HSG、SHGを実施。)
(▲ 次の検査・治療の助手をした。THL(transvaginal hydrolaparoscopy)、レゼクトスコープ、IVF-ET)
更年期障害の診断、治療方針がいえる。(▲ 避妊法の指導ができる。)

週間スケジュール

   
午前 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日

産婦人科抄読会
生殖内分泌カンファレンス

午後 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日

周産期カンファレンス
NICU合同カンファレンス 婦人科腫瘍カンファレンス

教授回診 

経験できる症例

1 ヶ月で
産科: 主治医として、経膣分娩10例、帝王切開10例、切迫早産5 例、双胎2例、妊娠高血圧症候群2例、前置胎盤2例
腫瘍: 開腹手術助手5 例、主治医として;婦人科悪性腫瘍5 例、婦人科良性疾患3 例
内分泌:ART 5 例、一般不妊治療(更年期と思春期を含む) 5 例

3 ヶ月コースではおおむねこれらを3 倍した症例数になります。

指導医からのメッセージ

臨床症例が多く,3分野(周産期、婦人科腫瘍、生殖内分泌)がすべて充実しています。また様々な大学、地域からの医師が集まりアットホームな医局です。是非研修にきてください。

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