忙しい毎⽇の中で、⽴ち⽌まることが少なくなっていませんか?
研修期間中、あるいは研修を終えてからでも、医師として診療をするうえで、⾃分⾃⾝をふりかえるʻ省察ʻは総合診療における診療能⼒を⾼めるための⼤切な時間です。
総合診療内科の病棟では病院総合医として幅広い症例の⼊院患者マネジメントを⾏います。ベッドサイドでのふりかえりとしては、⼊院時の指⽰、処⽅内容、診療⽅針決定まで丁寧な指導が⾏われます。週4⽇のモーニングカンファランスでプレゼンテーション能⼒を鍛えます。総合診療内科のカンファランスは、総合診療の様々な理論を踏まえながら経験そのものを省察して能⼒向上を図るプロセスとして重要です。多職種含む病棟カンァレンスを通じて退院⽀援・地域連携のプロセスに関する理解も深めます。
外来診療では、指導医への症例提⽰と教育的フィードバックを受けるプリセプティングを実施します。初診を担当した⽇は外来終了後すべての新規外来患者について、あわただしい外来診療の内容をふりかえり、患者ごとにプレゼンテーションを⾏います。診断の精度を⾼め、診療の質の向上に貢献しています。
これら総合診療内科で経験した症例について、内科学会地⽅会および総会、プライマリ・ケア連合学会学術⼤会における学会発表の指導を⾏っています。診断困難症例の知⾒の発信は総合診療の発展に必須であり、貴重な症例については、学会発表や和⽂英⽂の論⽂作成と投稿など学術活動を⾏うよう⽀援しています。
総合診療・家庭医療専⾨医研修では連携機関の指導医とともに、研修⼿帳の記録の確認と共同ふりかえりを⾏います。評価にはCase-based Discussionでの評価、360度評価およびMini-CEX (Mini-Clinical Evaluation Exercise 簡易版臨床能⼒評価法)を⽤います。診療現場における評価としては、ポートフォリオ指導を⾏います。領域に応じて症例を選定し、その領域に必要な学術的背景の理解を深めながら、⾔語化します。指導医や他のレジデントと対話し、または複数で情報を共有することによりフィードバックを⾏い、ポートフォリオを完成させます。専⾨医取得にはポートフォリオ提出は必須です。
栃⽊県の総合診療、家庭医療医が⼀同に会する、GIM(General Internal Medicine)カンファランス、ポートフォリオ研究会も定期的に開催されており、参加することにより、他施設の指導者からも指導を受けることが出来る貴重な機会となっています。
⽇々のふりかえりを積み重ねていき、対話をし、症例を共有して経験幅を広げることで、総合診療の⼒がはぐくまれます。
参考資料
ふりかえりの⼿法 ⽇本プライマリ・ケア連合学会 基本研修ハンドブック
新・家庭医療専門研修の概要(日本プライマリ・ケア連合学会2019年7月配付資料)
家庭医療専⾨研修Ⅰ・Ⅱ研修期間中の評価
※評価スケールや研修⼿帳は、内容や運⽤に問題がなければ、総合診療専⾨研修で使⽤しているものでも可。
(研修⼿帳で、新・家庭医療専⾨研修の独⾃項⽬については別途書式を⽤意する)
※取り扱いについては、学習環境と同じ