AADC欠損症の原因

1)AADC遺伝子の変異

7番染色体7p12.1-p12.3に存在するAADC遺伝子に異常がおこると、AADCの酵素活性が低下します。多くは常染色体劣性の遺伝形式を取ります。
 遺伝子変異は30数例の報告があり、多くはミスセンス変異ですが、台湾においては単一のフレームシフト変異の集積(IVS6+4A>T)が報告されています。

2)AADC酵素活性低下

脳内及び血漿中のAADC酵素活性が低下しています。そのため、AADCの基質(L-DOPAおよび5-HTP)が上昇し、ドーパミンとセロトニンの低下が認められます。L-DOPAの代謝産物である3-O methyldopa(3-OMD)が上昇し、モノアミンとセロトニンの代謝産物であるhomovanillic acid (HVA)、3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol (MHPG)、5-hydroxyindolacetic acid (5HIAA)は著減します。(代謝マップ参照)
 AADC活性の欠損は(1)髄液検査、(2)血漿中AADC酵素活性測定にて証明されます。髄液検査では、AADCの基質(L- DOPAおよび5-HTP)とその代謝産物である3-o-methyldopa(3-OMD)の髄液中濃度が上昇し、生成物のモノアミンとセロトニンの代謝産物である homovanillic acid(HVA)、5-hydroxyindolacetic acid (5HIAA)が著減しています。また、当科では血漿中AADC酵素活性の低下を解析する系を確立しました。

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