医局ブログ

教授ぶろぐ(超不定期掲載)

私的免疫学ことはじめ (93) 関節リウマチとSLE(3) IRF再登場

2005年にSLEとIRF5遺伝子の一塩基多型(SNP)とが関連することが報告されました(Sigurdssonら)。これは北欧からの報告だったのですが、その後他の地域からも同様の関連が報告されるようになりました。 IRF …

私的免疫学ことはじめ (92) 関節リウマチとSLE(2) 対立する疾患か?

たとえばTNF阻害薬レミケード(インフリキシマブ)の添付文書を見ると、副作用の項目に自己抗体陽性(抗DNA抗体陽性、抗カルジオリピン抗体陽性、抗核抗体陽性)・・・などという記載があります。これらの自己抗体はSLEに見られ …

私的免疫学ことはじめ (91) 関節リウマチとSLE(1) 膠原病の二大巨頭

さて、当科を受診する患者で一番多いのは関節リウマチ(rheumatoid arthritis, RA)患者であることは確かです。2番目は全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus, …

私的免疫学ことはじめ (90) Nfatc1 short formプロジェクト(16) 怒りのrebuttal

破骨細胞分化におけるNfatc1 short formの役割についてはある程度知見が得られましたが、こういう結果はどのような雑誌に投稿すべきでしょうか。このノックアウト(KO)マウスは破骨細胞の機能異常で通常見られるよう …

私的免疫学ことはじめ (89) Nfatc1 short formプロジェクト(15) Nfatc1 short formの欠損で破骨細胞が融合しない理由

Nfatc1自体の発現量はどうでしょうか。WTではRANKL刺激によって約13倍になっています。これは(short+middle+long)/(middle+long)に相当することに注意が必要です。このGeneChip …

私的免疫学ことはじめ (88) Nfatc1 short formプロジェクト(14) いよいよトランスクリプトーム解析

ようやく研究の目的だったトランスクリプトーム解析を実行する段階までやってきました。サンプルはshort form特異的KOマウス由来の単球系細胞をRANKLで刺激したもの/していないもの、対照として野生型(WT)マウス由 …

私的免疫学ことはじめ (87) Nfatc1 short formプロジェクト(13) Nfatc1誘導のブレーキ役候補

医局には雑誌の見本誌が届くことがあります。ある日何気なく「炎症と免疫」誌(2020年9月号)をめくっていたところ、「ダウン症因子DSCR-1と病的血管新生」というタイトルの総説が目に止まりました。破骨細胞とは一見なんの関 …

私的免疫学ことはじめ (86) Nfatc1 short formプロジェクト(12) 造血幹細胞は確かに増えた!

実際に、血清もアルブミンも添加せずこのポリビニルアルコール培地にトロンボボイエチンと、ステムセルファクターの2種類のサイトカインを加えてマウスの肝臓+aorta-gonad-mesonephros(AGM)領域をすりつぶ …

私的免疫学ことはじめ (85) Nfatc1 short formプロジェクト(11) 糊を使う実験

「のり(糊)」に関するネットニュースに注目することになったのは次のような経過です。今回のKOマウスの胎仔から単球系の前駆細胞を十分量得ることはできませんでした。しかし、その前の段階の細胞、「造血幹細胞」はあるはずです。こ …

私的免疫学ことはじめ (84) Nfatc1 short formプロジェクト(10) 致死マウスの解析戦略とは

Rag2KOマウスにはT細胞やB細胞がありませんので、造血幹細胞移植の後で分化してくるT, B細胞はドナー由来の細胞ということになります。ですからその細胞の機能解析をすればよいわけです。しかし、単球/マクロファージが全く …

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