自治医科大学アレルギー膠原病学では毎週医局員が交代で抄読会を行っております。

Diagnostic Accuracy of Positron Emission Tomography/Computed Tomography of the Head, Neck, and Chest for Giant Cell Arteritis:
A Prospective, Double-Blind, Cross-Sectional Study.

Arthritis Rheumatol. 2019 Aug;71(8):1319-1328.

巨細防性動脈炎(GCA)等の大型血管炎において、他の検査で病変の局在又は活動性の判断のつかない患者にPET/CT検査が保険適応となっています。しかし、これはあくまで病変局在および活動性の把握を目的とするもので、GCAの診断においては、側頭動脈生検が最も重要な検査であることは現在も変わりません。

最近、Time of Flight(TOF)技術を搭載した次世代PET/CTが開発され、少しずつ普及してきているようです。この論文では、TOF-PET/CTの診断目的使用における正確性を、側頭動脈生検や臨床診断との比較により検証しています。側頭動脈生検と比較して、このPET/CTの感度は92%、特異度は85%とされ、陰性的中率は98%とされました。

実臨床においては、臨床的にGCAと診断可能な患者においても、側頭動脈生検の感度は必ずしも高くなく、また侵襲性の問題もあります。GCAの除外診断目的においてTOF-PET/CTの有用性が示唆される報告でした。

担当 N