自治医科大学アレルギー膠原病学では毎週医局員が交代で抄読会を行っております。
Different Risk of Tuberculosis and Efficacy of Isoniazid Prophylaxis in Rheumatoid Arthritis Patients with Biologic Therapy: A Nationwide Retrospective Cohort Study in Taiwan
Tsai-Ling Liao et al. PLoS One. 2016 Apr 11;11(4):e0153217.
この論文では台湾のデータベースを用いて、異なる治療を受けるRA患者の結核の発症率とリスクファクター、結核予防におけるイソニアジドの効果、異なる治療を受ける患者の結核診断後の死亡率を調査しています。高齢、男性、ステロイド5mg/日以上、糖尿病、COPD、CKDは結核のリスクファクターで、発症リスクはcsDMARDs群と比較してTNFα阻害薬（アダリムマブ、エタネルセプト）投与患者で高く、リツキシマブ投与患者では低いという結果でした。また検査結果が利用できないデータベースのためIGRAの結果が不明ですが、イソニアジド使用例では結核発症例はほとんどなく、結核診断後の死亡率は非RAよりRA患者で高く、特に高齢で糖尿病があると高いという結果でした。
リツキシマブでの結核発症リスクはどうかと思いこの論文を読んで、TNFα阻害薬と比較してリスクが低いということはわかりましたが、通常リツキシマブ投与時には大量ステロイドも併用するので、やはり結核には注意が必要だと思いました。
担当 K
