自治医科大学アレルギー膠原病学では毎週医局員が交代で抄読会を行っております。
Mod Rheumatol . 2020 Dec 7;1-14. Online ahead of print.
Treatment of rheumatoid arthritis after regression of lymphoproliferative disorders in patients treated with methotrexate: a retrospective, multi-center descriptive study
目的:リンパ増殖性疾患(LPD)退縮後の、最善の関節リウマチ治療を見いだす
方法:対象は2000~2017年の間に7施設で参加した232名のLPDを発症した関節リウマチ(RA)患者。LPDの再発に関わる因子や、生物学的製剤の継続に寄与する因子を見いだす。
結果:RA治療は、LPDが薬剤中止で退縮した138名、LPDの治療を要した52人で再開された。自然退縮した138名中、23人が再発した。生物学的製剤の使用ではなく、組織型がHodgkin病であることが再発のリスク要因として同定された。88名の生物学的製剤の投与を受けた患者では、1年継続率は67.8%だった。生物製剤中止のリスク要因は、LPDの治療を要した症例、びまん性大細胞リンパ腫(DLBCL)以外の症例、疾患活動性高値(CDAI高値)だった。トシリズマブは、DLBCLに対して使用された場合、最も継続率が良好であった。
結論:LPD退縮後にいずれの生物学的製剤も用いることができるが、有効性と再発リスクを、組織型に応じて注意深く評価することが必要である。
感想:LPDの治療を要した1/3の症例で、プレドニゾロン単剤でも再発がみられ、またトシリズマブ群でも15%再発しているので、生物学的製剤よりも組織型が一番関係していそうです。
担当 N