自治医科大学アレルギー膠原病学では毎週医局員が交代で抄読会を行っております。

Pedro Lopez-Romero, Inmaculada de la Torre, Ewa Haladyj, Daniel Aletaha, Josef S Smolen. Baricitinib further enhances disease-modifying effects by uncoupling the link between disease activity and joint structural progression in patients with rheumatoid arthritis. Ann Rheum Dis. 2022 May;81(5):622-631.

 JAK阻害薬のひとつであるバリシチニブを投与した関節リウマチの患者さんの構造破壊をmodified Total Sharp Scoreの変化でみた論文です。TNF阻害薬や抗IL-6受容体抗体でも寛解~低疾患活動性を達成できなくても構造破壊に対する効果が期待されています。バリシチニブ+メトトレキサートを投与している場合中疾患活動性~高疾患活動性でも構造破壊の抑制が期待できる可能性があります。諸々の理由で他剤へスイッチできない場合に症状に対する効果不十分であったとしても、構造破壊の点からはこれらの薬剤を中止すべきではないと考えられました。

担当 Y