自治医科大学アレルギー膠原病学では毎週医局員が交代で抄読会を行っております。

Therapeutic options in VEXAS syndrome: insights from a retrospective series

Estelle Bourbon , Maël Heiblig , Mathieu Gerfaud Valentin , Thomas Barba , Cécile-Audrey Durel , Jean Christophe Lega , Fiorenza Barraco , Pascal Sève , Yvan Jamilloux , Pierre Sujobert 

Blood. 2021 Jul 1;137(26):3682-3684. doi: 10.1182/blood.2020010177.

VEXAS syndrome (vacuoles, E1 enzyme, X-linked, autoinflam- matory, somatic)は再発性多発軟骨炎、骨髄異形成症候群などの血液疾患、Sweet病などを表現系とする疾患であり、E1-ユビキチンリガーゼ(UBA1)に体細胞突然変異が見られることが知られています。新しい疾患概念の症候群であり、確立された治療法はまだありません。本論文では、再発性多発軟骨炎、骨髄異形成症候群、Sweet病などと診断されたVEXAS syndrome と考えられる19例の男性症例を解析した報告で、実際にUBA1遺伝子に変異の見られた症例は11例でした。PSL、MTX、抗TNF阻害薬、抗IL-6受容体抗体、シクロスポリンなどを治療薬として用いられていますがこれらの薬剤継続率は低く、早期に中止されていました。現段階で、症例数が少ないことやフォロー期間が短いことから確定的な結論は導き出せませんが、JAK阻害薬は継続できており、今後効果を期待したい薬剤として挙げられました。

担当 N