研究内容

頭頸部癌治療の標準化

西野教授が担当。シスプラチン投与と放射線治療を併用する化学放射線治療の標準化を検討した。JCOG頭頸部がんグループの班員として、臨床結果を集積および検討した。化学放射線治療に対する支持療法を検討した。

高齢者の癌治療

西野教授が担当。今後日本が向かえる超高齢者社会における癌治療の評価の確立を研究。身体評価と認知度評価についてJCOG高齢者研究小委員会委員として検討した。

Oncolytic virus therapy

西野教授と高野澤講師が担当。東京大学医科学研究所・先端医療研究センター先端がん治療分野(脳腫瘍外科)と共同研究。現在「進行性嗅神経芽細胞腫患者に対する増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルスG47△を用いたウイルス療法の臨床研究」を進行中。
それと並行して頭頸部癌に対する基礎研究データを集積中。

Galanin 受容体の頭頸部癌における役割と情報伝達経路の解明

金澤准教授が担当。ニューロぺプタイド、Galaninの受容体であるGALRの頭頸部癌における役割を1型と2型のサブタイプに分けて検討したところ1型では細胞周期抑制作用を認め、2型では細胞周期抑制作用に加えアポトーシス誘導作用が認められた。この結果よりGALRは頭頸部癌においては癌抑制遺伝子として働いていることが示唆された。更に、分子病態治療研究センター遺伝子治療研究グループと共同でGALRをアデノ随伴ウイルスベクターに組込み、頭頸部癌に対する遺伝子治療実験を行い、GALRの治療用遺伝子としての有用性を示した。また、浜松医科大学耳鼻咽喉科との共同で臨床検体を用いてGalanin-GALRのメチル化が頭頸部癌症例の予後と関連することを証明した。

頭頸部神経内分泌腫に対するバイオマーカーの検討

金澤准教授が担当。頭頸部領域に発生するカルチノイド、小細胞癌などの神経内分泌腫の分子標的治療に関連するバイオマーカーに関して免疫組織学的に検討を行っている。

音声改善のための披裂軟骨内転術の解良

金澤准教授が担当。国際医療福祉大学東京ボイスセンターとの共同で披裂軟骨内転術の際の牽引方向と内転効率を3D-CTで解析し音響分析・空気力学的の効果と比較し、効率の良い牽引方法を確立し、披裂軟骨内転術の改良を行った。

音声萎縮症に対する再生医療研究

金澤准教授が担当。国際医療福祉大学東京ボイスセンターとの共同研究。臨床治験として線維芽細胞増殖因子を萎縮声帯に注入し、音響分析、空気力学的検査を行ったところ著名な嗄声の改善が確認できた。

遺伝性感音難聴の原因遺伝子同定、外リンパ瘻診断目的のCTP検査

石川非常勤講師、中村助教が担当しており、遺伝性難聴家系の遺伝子変異検索が進行中である。信州大学の宇佐美教授を主任研究者とする厚生労働科学研究費補助金「遺伝性難聴および外耳・中耳奇形に関する調査研究」、「Usher症候群に関する調査研究」の分担研究者として、遺伝性難聴家系の遺伝子および臨床的解析を進行中である。自治医大附属病院で診療し、信州大学で遺伝子解析を行った高音急墜型難聴家系で、KCNQ4遺伝子とTECTA遺伝子変異の2つが同定された。他にも高音急墜型難聴を呈する2家系において、KCNQ4遺伝子が同定された。現在、他の複数の遺伝性難聴家系において病因遺伝子の解析が進行中である。また、埼玉医科大学の池園教授などとの共同研究で、外リンパ特異的蛋白の検出を利用した外リンパ瘻確定診断目的のCTP検査が行われており、外傷性鼓膜穿孔の1症例で外リンパ瘻の併発が診断され、鼓室形成術施行の際に、あわせて内耳窓閉鎖術を施行して良好な成績を得た。

加齢性難聴モデルマウスにおけるプロテオーム解析

中村助教が担当。機能生化学教室との共同研究で、加齢性難聴モデルマウスとして、C57BL/6Jマウスを用い、老化マウスにおける内耳蝸牛のタンパク質発現の変化、翻訳後修飾について調べ、加齢性難聴との関係について解析している。これまでに酸化ストレスやエネルギー代謝に関わる複数のタンパク質の発現が変化することを明らかにし、加齢性難聴の発症に関与することが示唆された。