研修プログラム

初期研修

自治医科大学附属病院 卒後臨床研修センター研修医採用情報

耳鼻咽喉科
専門研修プログラム(後期研修)

自治医科大学附属病院耳鼻咽喉科と小児耳鼻咽喉科は、外来新患数、入院件数、入院手術件数すべてにおいて症例数は豊富です。
症例数が豊富のため、耳科学、鼻科学、頭頸部外科学など、特定の疾患に偏ることなく、バランスのとれた研修が可能です。

研修医指導方針

当講座でめざしているのは、まず人間として誠実に診療に取り組む医師を養成することです。真摯に診療に取り組む姿勢が、最終的に質の高い診療の源と なります。患者さんとの触れ合いの中から優れた診療技術を習得し、問題意識 を持つことが重要と考えています。次に臨床面で即戦力として活躍できる医師の養成です。当講座の研修では豊富な症例を経験することが可能であり、実際の臨床現場で 役立つ技術や問題解決のための思考過程を確立させます。最後に情報を発信できる能力の育成です。臨床経験の中で生じた問題点を解明したいという欲求を大切にし、evidence を集めるのみでなく、それを作り出す側に回ることができるよう育成していきます。

プログラムの目的

耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の疾患は小児から高齢者まで幅広い年齢層が対象で、外科的治療のみならず内科的治療も必要であり、専門医には幅広い知識と医療技術の習得が求められています。自治医科大学耳鼻咽喉科専門研修プログラム(以下、自治医大耳鼻科 PG)は、医学の変化に応じた知識・医療技術の質向上と、地域医療に貢献できる耳鼻咽喉科専門医を養成することを目的としています。また、日々の診療のみならず、学会発表や論文作成を通じて、科学者(Physician Scientist)としての能力を習得することも目標としています。

本プログラムの特色

自治医科大学は、医学の進歩の恩恵に浴しにくい、へき地や離島などの地域の健康を守り、医療に挺身する気概ある有能な総合臨床医を養成することを建学の精神として、昭和47年2月に設立されました。しかし、自治医科大学の使命は総合内科医を育成するだけではありません。総合的に広い視点で患者と疾患を診ることのできる、各分野の専門医を育成することも、重要な使命とされています。現在、我が国の医療・医学は転換期を迎えようとしています。今後迎える高齢者社会、福祉と介護、進歩した生命科学技術に追いつかない倫理などの課題が存在しています。これらの課題に建学当初から取り組んできた実績のある自治医大耳鼻科 PGでの研修は、患者を多方面から評価できる総合臨床能力を兼ね備えた専門医育成に重きを置いています。遺伝情報を扱うなど、近年飛躍的に発展した医療知識・技術とともに、原点である全人的な医療を身につけることを決して忘れてはなりません。自治医科大学の総合医を育成する環境を最大限に活用し総合的な医療と医学の知識を吸収しつつ、耳鼻咽喉科専門医としての資質、技量、人格を育てるのが本プログラムの特色です。本プログラム終了後は医育機関における診療・教育・研究、がん専門病院や地域中核病院における診療、大学院進学による研究など本人のキャリアアップに継なげていきます。本プログラムの指導医と専門医には複数の女性医師も含まれ、きめ細やかな女性医師へのキャリア支援も可能です。男女を問わず、将来の日本の耳鼻咽喉科医療を担う優れた医師の育成を目指しています。

専門研修連携施設

自治医科大学耳鼻咽喉科学講座では、下記の連携施設と提携し、それぞれの病院で特色ある研修が可能です。

【専門研修基幹施設】
  • 慶應義塾大学附属病院(年間手術 1,300件以上、耳科・鼻科手術症例豊富)
  • 自治医科大学附属さいたま医療センター(年間手術 900件、耳科・鼻科手術症例豊富)
  • 金沢医科大学(年間手術 900件、鼻科手術症例豊富)
  • 金沢大学(年間手術600件、頭頚部外科手術症例豊富)
  • 三重大学(年間手術600件、鼻科手術症例豊富)
  • 群馬大学(年間手術 600件、頭頸部外科手術症例豊富)
  • 浜松医科大学(年間手術 900件、頭頸部外科手術症例豊富)
  • 琉球大学(年間手術 1000件、頭頸部外科手術症例豊富)
【地域の中核病院】

(がん専門病院)

  • 国立がん研究センター東病院、年間頭頸部外科手術件数 150 件以上

(喉頭科専門病院)

  • 国際医療福祉大学山王病院ボイスセンター(年間手術 900件、喉頭科手術症例豊富)
【地域医療 関連施設】

(地域の中核病院)

  • 新小山市民病院(年間手術 200 件、救急症例豊富 )

プログラム概要

大学附属病院と地域中核病院での研修

自治医科大学耳鼻科 PG では、専門研修基幹施設である自治医科大学附属病院と、地域の中核医療を担う研修連携施設、研修関連施設において、それぞれの特徴を活かした耳鼻咽喉科研修を行い、日耳鼻が定めた研修到達目標や症例経験基準に掲げられた疾患や手術を経験することができます。4 年間の研修期間の内、1-2 年目は自治医科大学附属病院で耳鼻咽喉科の基本的知識、診療技術を習得します。3 年目以降は中核病院や地域医療関連施設において研修を行います。中核病院においては、より専門性に特化した技術の習熟が可能であり、また、地域医療関連施設においてはCommon diseaseの症例を多数経験することで、幅広い耳鼻咽喉科診療の技術を習得することができます。

頭頸部癌診療の高度な研修

将来、頭頸部癌診療に従事することにも興味を持っている専攻医には、国立がん研究センター東病院において1年間、がん診療に特化した研修を受けられるコースもあります。頭頸部がん診療を専門とする指導医による高度な研修を受けることができます。

連携する専門研修基幹施設での研修

専門研修基幹施設として連携する、慶應義塾大学附属病院、自治医科大学さいたま医療センター、金沢医科大学病院、金沢大学病院、三重大学病院などにおいても研修を受けることができます。これらのコース希望者は、1−2年目は自治医科大学附属病院で耳鼻咽喉科の基本的知識、診療技術を習得します。3年目以降は希望する連携基幹施設での研修を行います。自治医科大学のみならず、他の大学病院(医育機関)での研修を受けることで、臨床や研究面での視野が格段に広がります。

豊富な臨床経験と将来のアカデミアの基礎確立が可能

自治医科大学附属病院では高度な医療および先端医療を経験できることはもとより、その立地から各領域の救急疾患やCommon diseaseも含めたあらゆる疾患が集まっており、大学附属の病院でありながら万遍なく多くの症例を経験できます。そのため、他の大学病院(医育機関)とは異なり、自治医科大学附属病院の中における研修だけでも耳鼻咽喉科専門医として必要な、全般的な研修も可能です。このことは、専門研修基幹施設コースにおいて基幹施設(慶應義塾大学、自治医科大学さいたま医療センター、金沢医科大学病院など)のみで研修を行なう専攻医においても、耳鼻咽喉科の救急疾患やCommon diseaseも含めた幅広い研修が可能であることを示しています。さらに、手厚い指導のもとで専攻医が積極的に手術を執刀できるよう体制を整えており、専攻医の手術スキルの習得に役立っています。
また頭頸部癌新患数と手術の件数は全国でもトップクラスです。日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の頭頸部癌グループと高齢者研究小委員会のメンバーとして、日本の癌治療の道標を作っています。医師主導の臨床研究「嗅神経芽細胞腫のoncolytic virus therapy」を東京大学医科学研究所病院脳腫瘍外科と共同研究として行っています。
このように自治医科大学附属病院専門研修プログラムは、耳鼻咽喉科あらゆる分野の一次治療から三次治療までの経験ができるとともに、日常診療に学術的背景の経験を積重ねることのできるプログラムです。将来のトランスレーショナルリサーチと産学共同研究の下地を作ることができます。

多職種間で検討される症例

自治医科大学附属病院では、週 2回の症例検討カンファレンスを開催しています。この症例カンファレンスは看護師、放射線診断部医師、放射線治療部医師と看護師、病理診断医、歯科口腔衛生師が参加します。多職種間の意見交換を通じて病態や治療概念などを学び、日々の研修に行かすことができます。また、毎週栄養サポートチーム(NST)回診があります。嚥下と栄養管理の知識を深めることができます。月に1回、頭頸部Cancer Boardが耳鼻咽喉科医師、歯科口腔外科医師、形成外科医師、放射線診断部医師、放射線治療部医師、臨床腫瘍部医師、脳神経外科医師、歯科口腔衛生師とともに症例検討をおこなっています。このような症例検討を通して疾病の理解、診断と治療、手術手技の習得、解剖知識の理解に役立てることができます。4 年間の研修中、日本耳鼻咽喉科認定学会や関連する国際学会に積極的に参加し学会発表を行います。また、筆頭著者として学術雑誌に 英文・和文の論文発表を行います。そのために積極的に科学的根拠となる情報を収集分析し、日々の診療に活かすよう、Physician Scientistとしての科学的思考や生涯学習の基本を身につけます。プログラムに定められた研修の評価は施設ごとに指導責任者(関連施設)、指導医および専攻医が行い、プログラム責任者が最終評価を行います。4 年間の研修終了時にはすべての領域の研修到達目標を達成することが可能であり、研修の評価や経験症例は日耳鼻が定めた方法でオンライン登録します。

研修に効果的な豊富な教材

専攻医は耳鼻咽喉科病棟と同じ階にある耳鼻咽喉科専攻医室に個人用の机スペースが得られます。この部屋には参考図書が多数揃っており、自由に閲覧できます。また院内全域において自治医大Wi-Fi環境に接続が可能です。大学図書館にもアクセスできるため、文献検索と電子ジャーナル閲覧が自由にできます。また情報センターにアクセスしてWeb教材の使用も可能です。

基本的研修プラン

基本コース(例)

1-2年目
自治医科大学附属病院にて研修
3年目
中核医療を担う連携病院、または、地域医療を担う関連病院にて研修
4年目
上記の連携・関連病院または自治医科大学附属病院にて研修

頭頸部癌専攻コース(例)

1年目
自治医科大学附属病院にて研修
2年目
地域医療を担う関連病院にて研修
3年目
国立がん研究センター東病院にて研修
4年目
自治医科大学附属病院にて研修

専門研修基幹施設コース(例)

1年目
自治医科大学附属病院にて研修
2年目
専門研修基幹連携施設にて研修
3年目
自治医科大学付属病院または、専門研修基幹連携施設にて研修
4年目
自治医科大学附属病院にて研修

募集要項

2023年度の専門研修プログラムの募集要項

【応募期間】

2022年10月1日~2023年3月15日

【募集定員】

4名

【研修開始時期と期間】

2023年4月1日~2027年3月31日

※研修を行う専門研修連携施設および研修時期・期間は、専攻医ごとに適宜変更があります。

【応募資格】
  • 日本国の医師免許証を有する
  • 臨床研修修了登録証を有する(第99回以降の医師国家試験合格者のみ必要。2023年3月31日までに臨床研修を修了する見込みの者を含む)。
  • 一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会(以下、日耳鼻)の正会員である(2023年4月1日付で入会予定の者を含む)。
【応募書類】
  1. 後期研修申込書(所定の書式)
    →当院の卒後臨床研修センターのHPより書式をダウンロードして下さい。
  2. 履歴書(市販のものに写真貼付のこと)
  3. 医師免許証の写し
  4. 臨床研修修了証の写し(修了見込の方は修了見込証明書)
  5. 在職証明書
  6. 所属機関長の推薦状(当院病院長宛)

応募書類に関しては、自治医大の卒後臨床研修センターのホームページにも掲載されています。
http://www.jichi.ac.jp/hospital/top/resident/later/recruitment.html

【選考方法】

書類審査および面接により選考します。面接の日時・方法(場所)は別途通知します。
プログラムに関するご不明な点、ご質問、随時、受け付けていますので、お気軽にお問合せください。

【お問い合わせ先および提出先】

自治医科大学医学部耳鼻咽喉科学教室
〒329-0498 栃木県下野市薬師寺 3311-1

TEL:0285-58-7381 FAX:0285-44-5547
Mail:jichi-jibi@jichi.ac.jp

お問合せ

見学も随時受け付けております。
当講座に興味のある方は是非一度見学にいらしてください。

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自治医科大学医学部耳鼻咽喉科学教室
〒329-0498 栃木県下野市薬師寺 3311-1

TEL:0285-58-7381 FAX:0285-44-5547

教授 伊藤 真人
臨床研修指導医 金澤 丈治、上村 佐恵子