教授挨拶

  • HOME »
  • 教授挨拶

表層という薄っぺらなイメージからは
想像できないくらい、
裾野も奥行きもある皮膚科学

自治医科大学皮膚科学講座教授
大槻 マミ太郎

皮膚科の魅力は何かと聞かれたら?

「皮膚科学の最大の特徴は、その中に内科も外科も、そして病理学も生化学も免疫学もあること、皮膚科の門を開けたら、それはもうバラエティ豊かで別次元の医学が広がっていること、皮膚という薄っぺらなイメージからは想像できないくらい、とにかく裾野が広く奥行きも深い学問だということです」

−−−−− 自分が皮膚科を決める前にこれだけ達観していたわけではありませんが、少なくとも今は自信をもってこう答えることができます。

 

本学、自治医大は医学部入試にある地域枠の総本山とも言える存在であり、卒業生には40年以上前の建学以来、地域医療貢献のための義務年限という特殊な制度が設けられているため、当科の医局では通常のように初期研修終了後に卒業生が即入局することが困難であり、他(多)大学出身の混成チームとなっています。例えば他科、あるいは他職種からの転向組も多数在籍しており、年齢層も身分にかかわらず20代から60代まで様々で、現在医局にいる卒業生皮膚科医も元来は総合医として僻地医療の経験も備えていることから総合診療にも強みがあり、他にも現在中国や台湾、少し前はタイ出身の先生もいて、様々なサブスペシャリティーが交錯して和気あいあいとしています。“やり直し”組がそれだけハッピーになれるのは、ワイドでディープな皮膚科を選んで後悔する人はおらず、それだけ“つぶしがきく”という意味合いもあるかもしれません。また、当科には独自の研究室もあって、現在は中国出身の研究生が学位とともに日本の医師免許取得も目指して頑張っていますし、医局員の小手術のスキルは皆高く、悪性腫瘍切除・リンパ節郭清から小腫瘍の整容的手術まで、皮膚外科も非常に充実しています。

 

もう少し個人的な紹介をすると、私は附属病院の治験審査委員会委員長を10年務めましたが、それは乾癬やアトピー性皮膚炎をはじめとして皮膚科で扱う新薬の治験が非常に多かったからで、若い頃から新しい薬剤にいち早く触れる機会があることも当科の魅力の1つと思います。任期の長さ?で言うと、本学ピアノ同好会の顧問については赴任以来20年間務めており、音楽の才溢れる学生さんと一緒に患者さん向けの院内コンサート活動を毎年続けていますが、実は当科スタッフにはピアニストが4名も(!?)いるのです。

 

ありふれたものから稀なものまで、あらゆる皮膚疾患を手がける当教室では、臨床研修に最適な施設であるという利点を活かし、診療技術に卓越した専門医を育成すると同時に、大学の充実した施設を利用することによって、各人がそれぞれ臨床に根ざした優れた研究を積極的に行えるよう、日々努力しています。これから皮膚科を頑張ろうと燃えている方、新天地でスキルアップしたいと考えている方、皮膚科に転向して出直したいと考えている方、魅力満載の皮膚科学をバックグラウンド豊かな仲間たちと一緒に、極めてみませんか。

2019年1月

  • Facebook
  • Hatena
  • twitter
  • Google+
PAGETOP
Copyright (c) 自治医科大学 皮膚科学講座 All Rights Reserved.