形成外科学講座

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングとは

ケミカルピーリングとは酸など皮膚に障害を与える液体を使って、角質や表皮、さらには真皮までをも化学的に溶かして、新しい皮膚の再生を促すことによって、病変を治療したり、より健康で美しい皮膚を取り戻そうとする方法です。治療目的によって、使用する薬剤やピールする深さなどが変わります。

使用される薬剤は

様々な種類の薬剤が使われます。代表的なものはAHA(アルファヒドロキシ酸:フルーツ酸とも言われます.具体的にはグリコール酸や乳酸が主に使われます.)とTCA(トリクロール酢酸)です。フェノール、ジェスナーズ液やサリチル酸も使われます。

現在、国内のエステや美容外科、皮膚科などで広く行われているピーリングは、20-50%のAHA(主にグリコール酸)を使ったピーリングです。サリチル酸(20%程度)もよく行われています。副作用は小さいのですが、主に角質を剥離するもので、にきびにはある程度効果がありますが、残念ながら一般的には一時的な効果しかありません。TCAはさらに深いピーリングも可能で本質的な治療も可能になりますが、その分、治癒に時間がかかります。フェノールも深いピーリングが可能です。深いしわなどにも有効です。ブルーピールという名前で呼ばれているのはTCAのピーリングの1つです。ブルーピールは施術医にピールする深さがわかりやすいように15%のTCAに青い色素を入れたものです。

ピーリングの場合は、術前の前治療や術後の後治療が非常に重要です。角質や表皮を剥がすことになりますから、表皮が持つ本来のバリア機能や水分保持機能が失われますから、それに対する適切な対処が必要になります。エステのピーリングは非常に弱い(トラブルが起こりにくい)ものにもかかわらず、最近エステのピーリングでトラブルが続出していると報道されているのも、すべて術前術後の適切な処置をしていないから起こっているのです。十分な知識を持った医師のもとで受けるようにしましょう。

どういう症状に効くのでしょう

  • にきび、にきび痕
  • 肌のクスミ
  • 肌荒れ、乾燥した皮膚
  • 老化した皮膚、小じわ(皮膚の若返り)
  • 薄い色素沈着
  • 肉割れ、妊娠線
  • 他の薬剤の浸透性を高める効果
などです。

 

≪さらに専門的な内容(医家向け)を見たい方はこちらをどうぞ ≫


形成外科で扱う疾患