医局ブログ

教授ぶろぐ(超不定期掲載)

私的免疫学ことはじめ (24) Aire研究(4) インパクトのある論文

“Projection of an Immunological Self Shadow Within the Thymus by the Aire Protein” というタイトルのこの論文は2002年にScience誌 …

私的免疫学ことはじめ (23) Aire研究(3) 本当はやりたかったこと

更にここでも○○の1つ覚えのLuciferaseアッセイを行って、IL-1Raのプロモーター部位にあるCREという配列が重要らしい、という結論を得ました。CBPという分子が結合する配列です。そこから(似たようなメカニズム …

私的免疫学ことはじめ (22) Aire研究(2)  RNase protection assay(RPA)

RNase protection assay(RPA)というのはmRNAの定量に使う手法で、その点ではNorthern blottingに似ています。ただし後者では、バンドの位置(泳動距離)はmRNAのサイズを示すのに対 …

私的免疫学ことはじめ (21) Aire研究(1) 

Tregの実験をしていた頃に、もう一つ取り組んだ課題がありました。Aireという分子の機能解析です。これに注目したきっかけは本当に偶然で、小児科医の妻が大学院生としてその分子の機能を解析していたからです。Aireは転写因 …

私的免疫学ことはじめ (20) Treg研究(4) 

4つ前(16)で書いたIPEXという炎症性疾患は、ネガティブ・フィードバックシステムが破綻しているために炎症が終息しない深刻な疾患ということになります。 ネガティブ・フィードバックシステムの逆はポジティブ・フィードバック …

私的免疫学ことはじめ (19) Treg研究(3) ネガティブ・フィードバック

このAPC + T cell + 抗CD3抗体の培養系で、T細胞から出るIL-2とAPCから出るIL-12を測定したところ、T細胞をTregだけにするとIL-2は出ず、Th細胞だけだとIL-2は検出され、Treg : T …

私的免疫学ことはじめ (18) Treg研究(2)CFSEダイリューションアッセイ

私がサイミジンアップテイクアッセイの代わりに試してみたかった実験は、「CFSEダイリューションアッセイ」というものです(実験した当時はそんな名前はついていなかったと思いますが)。リンパ球をCFSEという蛍光物質で生きた状 …

私的免疫学ことはじめ (17) Treg研究(1)

TregはCD4陽性T細胞(Th細胞)ですが、その中の5-10%くらいしかいません。しかしこの少数の細胞がいなくなると、免疫系は過剰応答してしまうのです。「山椒は小粒でも」というやつですね。私自身が気になったのは、そのよ …

私的免疫学ことはじめ (16) IL-2パラドクス(2)

実はこのIL-2パラドックスは当時京都大学にいらした坂口志文先生によりきれいに解決されていました。坂口先生は、IL-2受容体α鎖(CD25)陽性ヘルパーT細胞が制御性T細胞(regulatory T cell, Treg …

私的免疫学ことはじめ (15) IL-2パラドクス(1)

免疫を学んでいると、不思議に思うことが色々出てくるのですが、私が大学院生の時に一番不思議だったことは、サイトカインIL-2のノックアウト(KO)マウスがT細胞の増殖を伴う強い炎症を起こして死んでしまう、という実験事実です …

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