自治医科大学アレルギー膠原病学では毎週医局員が交代で抄読会を行っております。

Effect of a gonadotropin-releasing hormone analog for ovarian function preservation after intravenous cyclophosphamide therapy in systemic lupus erythematosus patients: a retrospective inception cohort study
T.Koga et al. Int. J. Rheum. Dis(2018) 21: 1287–1292

この論文ではシクロホスファミドで加療された30人のSLE患者の卵巣機能保護における、合成ゴナドトロピン放出ホルモンアナログ(GnRH-a、リュープロレリン酢酸塩)の効果を検討しています。中央値41か月のフォロー後、早発卵巣機能不全(POF)はGnRH-aで加療された16人のうち1人(6%)、コントロールでは14人のうち7人(50%)で、GnRH-aの使用が有意な卵巣保護効果を示し、ハザードモデル分析でもGnRH-aの使用がPOFに関連する独立因子という結果でした。

妊孕性温存の方法としては卵子凍結や卵巣組織凍結が望ましいと考えられますが、シクロホスファミド投与を待てない場合は現在でも選択肢になると感じました。

担当 K