病院長挨拶

病院長 川合かわい 謙介けんすけ

自治医科大学附属病院(標榜診療科47科、許可病床数1,132床)は

  • (1) 患者中心の医療
  • (2) 安全で質の高い医療
  • (3) 地域に開かれた病院
  • (4) 地域医療に貢献する医療人の育成

の理念のもと、高度で先進的な医療を安全確実に提供するために、開かれた病院運営を行っています。医療圏は広く、栃木県内だけではなく、茨城県西部、埼玉県北部からも多くの方に受診していただいています。それに加えて、栃木県内を中心に多くの関連病院にスタッフを派遣し、手術連携病院を組織し、自治医科大学関連病院群として、より多くの方々に質の高い均一な医療を提供できる体制を整えてきました。1996年総合周産期母子医療センター、2002年附属病院新館、2006年とちぎ子ども医療センターをそれぞれ開設し、2018年には高度急性期医療・急性期医療の充実を図るため新館南棟を開設し、運用を開始しました。2020年度は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を大きく受けましたが、外来延べ患者数601,338人、入院延べ患者数327,230人、新入院患者数22,862人、救急車搬送3,753件、手術数9,763件と多くの方々に来院していただきました。当院は、大学附属病院であると同時に地域基幹病院でもあり、高度先進的症例から救急症例まで多彩な症例を経験することができます。

自治医科大学附属病院卒後臨床研修センターは初期研修プログラムだけではなく、2018年度に開始された新専門医制度専攻医研修についても基本19領域のプログラムを作成し、初期・後期一貫した教育・指導を行っています。自治医科大学卒業生には出身都道府県での義務年限があるため、当院レジデントの9割は他大学出身者で、残り1割は栃木県出身の自治医科大学卒業生です。そのため当院ではどの診療科も、派閥・学閥のない自由闊達な雰囲気が特徴です。2022年は29大学から49人のJ1レジデントの皆さんに入職していただきました。

ここ数年、医療事故調査制度の施行(2014年)、栃木県地域医療構想の策定(2016年)、臨床研究法案の成立(2018年)、働き方改革関連法の施行(2019年)、栃木県医師確保計画の策定(2020年)と、医療の環境はめまぐるしく変化しています。そして2020年以降はCOVID-19パンデミックにより、医療だけでなく社会自体も大きく変化しました。変容する医療・社会情勢に対しても、当院は迅速に対応してきました。2024年から本格導入される医師の働き方改革については、業務の合理化、効率化による負担軽減、抜本的なタスクシフティング、タスクシェアリングを推進し、超過勤務時間手当は働いた時間通り支給する規定を運用しています。これからの病院は、「普通の人が普通に働ける」ことが重要です。働き方と考え方の多様性を許容しつつ、大学病院・特定機能病院として「最高の成績を出す」ことを病院の目標としています。このような考え方を共有し、地域医療を共に支えていくことができる若い力を自治医科大学附属病院は必要としています。感染対策を万全に行い、是非病院見学に来て下さい。