部門概要
自治医科大学における腎移植は1977年、当時の消化器一般外科、森岡恭彦教授、笠原小五郎教授によって第一例が実施されました。その後、地道に症例数が重ねられ、北関東における主要な腎移植施設として発展してきました。2005年1月の講座改組と附属病院のセンター化に伴い、腎泌尿器外科学講座に八木澤隆初代教授とした腎臓外科学部門が新設されました。
現在に至るまで腎泌尿器外科学講座は本部門と泌尿器科学部門の2部門で構成・運営されております。
診療面では附属病院腎臓センター外科部門として栃木県・北関東における腎移植、腎血管外科、腎不全外科領域の中心的な役割を担い、その診療・研究を発展させてきました。
附属病院腎臓センターにおいては内科学講座腎臓内科学部門が内科部門を、そして当部門が外科部門を連携して担当し、これにより腎疾患の総合的診療を行うことが可能です。すなわち、蛋白尿、腎炎から保存期腎不全、透析療法、そして腎移植に至るまでの生涯治療を当院で完結することが可能となっております。
具体的な診療内容は末期腎不全に対する外科治療として腎移植、血管アクセス(内シャント)、腹膜アクセス(腹膜透析カテーテル)の手術、遷延性副甲状腺機能亢進症のほか腎血管外科(腎動脈瘤、腎動脈狭窄など)、外科的腎疾患(透析関連腎癌、多発性嚢胞腎など)に対する腎泌尿器鏡視下手術などに多岐にわたります。
腎移植については年間30件以上継続して行っている国内有数の施設であり、ABO血液型不適合移植、抗ドナー抗体陽性移植などの免疫学的ハイリスク腎移植を積極的に行っているほか、低侵襲な腹腔鏡手術による腎提供手術や多発性嚢胞腎摘出手術など最新、最良の医療を安全・安定に提供しています。また合併症を有する場合にも内科との連携を密にできる限り移植ができるように努めています。そして、腎臓小児科、小児泌尿器科と連携して体重10kg台の未就学腎不全児への腎移植も積極的に行います。