EZR(Easy R)に関するよくあるご質問 (FAQ)
標準メニューに含まれる解析機能はRコマンダーのオリジナルの機能ですのでこちらで関与することはできません。日本語表記の問題が生じることがあるようですが、Google等で「M1
Mac Rコマンダー」で検索すると情報が得られるようです(当方では把握していませんので、この件についての問い合わせは問い合わせはご遠慮ください)。
【重要】 EZR Ver 1.56からバージョン 4.20以降のRを使用しています。WindowsのRは4.20から標準の文字コードとしてCP932(Shift-JIS)からUTF-8を使用するように変更されたため(Mac OS Xは以前からUTF-8)、以前の日本語を含むファイルが読み込めない、あるいは文字化けすることがあります。以下の対応をお願いします。
①以前のEZR(R)で作成したEZR(R)形式のデータファイルを読み込む場合は「ファイル」→「既存のデータセット(CP932:旧Windows形式)を読み込む」で読み込んでください。
②CP932(Shift-JIS)形式のテキストデータ(CSVファイル)を読み込む場合は「ファイル」→「データのインポート」→「ファイルまたはクリップボード、URLからテキストデータを読み込む」のダイアログでファイルエンコード形式を「CP932:旧Windows形式」と指定して読み込んでください。ExcelでCSV形式のテキストデータとして保存する場合、CSV UTF-8として保存するとUTF-8形式に、単にCSVとして保存するとCP932形式になります。
③CP932(Shift-JIS)形式のスクリプトファイルは読み込む前にNotePad++などのソフトウェアを使用して文字コードをUTF-8に変更する、あるいはEZRの「スクリプトファイル(CP932:旧Windows形式)を開く」で開いてください。R
Consoleの「スクリプトを開く」でそのまま開くと文字化けします。
【警告: リポジトリー https://......... に対する索引にアクセスできません :】というエラーが表示される場合は、そのミラーサイトのサーバーが停止している可能性があります。他のサーバーからのダウンロードを試みてください。WindowsはR
Consoleのウインドウのメニューからパッケージ→CRANミラーサイトの設定で、MacはR ConsoleのウインドウのメニューからR→環境設定→起動で設定変更できます。
①論文の中で使用した統計ソフトを記載する場合はどうすればよいか?
EZRを使用した学術論文を発表される場合はBone Marrow Transplantation 2013: 48, 452-458を参考文献として引用してください。この文献は2023年12月時点で10000編以上の英文論文に引用されています。「EZRの使い方、変更履歴」に具体的な文章の例を掲載していますので参考にしてください。
②Excelファイルをインポートできない。
以下のような場合にはExcelファイルをインポートできないことがあります。
・Excelファイルのファイル名に日本語(全角文字)が含まれる場合
・Excelファイルのフォルダ名(上位フォルダを含む)に日本語(全角文字)がふくまれる場合
このような場合はExcelファイルをExcel上からCSV形式で保存してEZRにインポートしてください。
③Mac OS XでEZRがうまく起動しない。
OS XでEZRがうまく作動しない原因のほぼすべてはEZRの問題ではなく、Rコマンダーのインストールの問題です。Rコマンダー関連のWEBサイトを調べると多くの情報を入手することができます。私自身はMacについての知識はないので、WEBで調べる方が解決できる可能性は高いと思います。Mac関連でこちらに質問のメールを送られる場合は、必ず以下の手順を試して、それぞれどのような結果であったかをご報告ください。
まずは手順に沿ってX11システムをインストールしたかどうかを確認してください。既にインストールしている場合でも、XQuartzプロジェクトからX11システムを再インストールすると解決することがあるので、最初に試してみてください。また、インストールがうまくいかない場合は「EZRでやさしく学ぶ統計学 改訂3版」に添付されているDVD-ROMからのインストールをお勧めします。ほとんどの場合、この方法で解決しています。
また、M1 Macなどで日本語表示されないという問題が報告されています。これはEZRやRコマンダーには関係がなく、R本体の問題ですが、Rコンソール内で
system("defaults write org.R-project.R force.LANG ja_JP.UTF-8")
と入力して保存した後に再起動するとRコンソールおよび、EZRの日本語での表記が可能となるようです。XQuartzをVer.2.85から2.80に変更するとうまく起動したという事例もあるそうです。
エラーメッセージに「'・・・・・'という名前のパッケージはありません」と表示されている場合は、install.packages("・・・・・")によって、そのパッケージをインストールしてください(エラー-が表示されなくなるまでこの作業を繰り返してください)。
また、.Rprofileのファイルにエラーがある可能性があります(特に以前に既にR、Rコマンダー、EZRをインストールしていた場合に多い)。この対策としては、アプリケーションのユーティリティの中からターミナルを起動して、以下の##Starts
hereから##Ends hereまでをコピーしてターミナルに貼り付けることによって、テキストエディットで.Rprofileファイルを開きます。
##Starts here
open -a TextEdit.app ~/.Rprofile
##Ends here
そして、全ての行の先頭に半角の#を加えて(つまりその行を無効にして)上書き保存してから再度EZRの起動を試みてください。
履歴ファイルの内容によってエラーを生じることもありますので、Rコンソールから「R」→「環境設定」→「起動」を選んで、その中の「起動時に履歴ファイルを読み込む」のチェックを外してみてください。
データフォルダに.Rprofileが隠れている場合もあります。.Rprofileは隠しファイルなので通常はFinderで見えません。Finderで隠しファイルを表示できるようにするには以下の##Starts hereから##Ends hereまでをコピーしてターミナルに貼り付けてください。
##Starts here
defaults write com.apple.finder AppleShowAllFiles TRUE
killall Finder
##Ends here
データフォルダに.Rprofileがみつかったら削除してください(あるいはテキストエディットで開いて各行の先頭に#を加えて保存する)。そして以下の
##Starts hereから##Ends hereまでをターミナルに貼り付けてFinderの設定を元に戻してください。
##Starts here
defaults write com.apple.finder AppleShowAllFiles FALSE
killall Finder
##Ends here
以上の操作を行ってもうまくいかない場合は、一度Rをアンインストールしてください(アプリケーションフォルダーの中のR.appをゴミ箱に入れる)。その際にはライブラリフォルダの中のFrameworksフォルダの中にあるR.frameworkフォルダも削除してください。ユーザーフォルダーの中のご自身のユーザー名のフォルダーに含まれるRフォルダーも削除し、再度RとEZRのインストールを試してみてください。これらの作業の後にうまく起動しなくても、一度再起動すればその後は問題なく動作することも多いようですので、必ずお試しください。
また、EZR起動後に黒地背景の画面で動作がおかしくなった際にはXquartzの設定がフルスクリーンモードになっていることが原因である可能性があるため、このような場合はcommand + option + Aで通常モードに戻り
Xquartzの環境設定の出力タブでフルスクリーンモードの設定を解除してください。
Marvericks以降のOS Xを使用中の場合はRコマンダーの動作が遅くなることがあります。動作が遅い場合は、「ツール」→「R.appのためのMac OS Xのapp.napの管理」でapp napの設定をオフに変更してください(このオプションはRコマンダー上でEZRプラグインを読み込む前に実施する必要があります)。
④Rは日本語版が起動しているのにEZRが英語版で起動する。
以前に作業した環境ファイルが読み込まれているためにこの現象が生じることがあります。R起動時のR consoleに「[履歴が次のファイルから読み込まれました] 」というメッセージが表示されていた場合は、その読み込まれたファイルを削除してください。
Mac版の場合はFinderで隠しファイルになっているため、command + shift + .(コマンド + シフト + ピリオド) の3つのキーを同時に押して隠しファイルを表示して削除してください。
⑤EZRの作業フォルダ(データ保存フォルダ)の変更方法は?
EZRでは「ファイル」→「作業フォルダを変更する」で一時的に変更することは可能ですが、EZRを終了するとその設定は失われてしまいます。
作業フォルダを固定して変更したい場合は、WindowsユーザーはデスクトップのEZRのショートカットを右クリックしてプロパティを開き、ショートカットのタブをクリックして、作業フォルダ(S):の欄に書かれているフォルダを書き換えることで作業フォルダの設定を変更することができます。
また、他の方法としてはRprofile.steというファイル(EZRのセットアッププログラムの場合は C:\Program Files\EZR\etc\Rprofile.site にあります)をエディタ(例えばWidnowsのアクセサリに含まれるWordPadで)開いて下さい。この際に管理者権限で実行して下さい。開いたファイルの最後の行に
setwd("********")
(******のところに作業フォルダを指定する)
と書き込んで上書き保存することによって作業フォルダを変更することができます。
OS XユーザーはRコンソールを開いて、「その他」→「作業ディレクトリの変更」で設定を変更できます。
⑥グラフの出力
EZRのグラフをメタファイル形式で貼り付けたMicrosoft WordやPowerpointのファイルをPDF保存形式すると、グラフに余分な線が入ることがあります。また、グループ化を解除したときに図形の一部が消えることもあります。これはMicorosoft
Word、PowerPointのバグとして報告されているようです。対策としてはWordでPDF化せずに別のPDF化ツールを使う、devEMFパッケージのemf()
を使ってEMFファイルに出力してからWordに配置する、あるいはビットマップで出力することで回避できます。Microsoft製品に貼り付ける際にWindowsメタファイル形式で貼り付ける、あるいは一旦、他のソフトウェアに貼り付けて、そのソフトからコピーして貼り付けると解決することも多いようです
また、Windowsのディスプレイの設定でテキストサイズの変更を行っていると、メタファイル形式で出力する際にグラフの大きさが変化します。
Mac OS X版のEZRではグラフィックはPDF形式で保存されます。PDF形式のファイルはInkscapeなどのフリーソフトで編集可能です。
⑦大きなデータセットを編集、表示する際の日本語の文字化け
EZRでセルの数が10000を超えるデータセットを表示、編集する場合は、Rコマンダーのデータエディターではなく高速に作動するRのエディターが起動します。このRのエディターは標準のフォントを使用していると日本語が文字化けします。日本語を正しく表示させるためには
R Consoleで「編集」→「GUIプリファレンス」でFontをCourierやMS Gothicなどの日本語対応フォントに変更してください。また、Rのフォルダーの中のetcフォルダー(通常のインストールなら
C:\Program Files\R\R-3.##.#\etc)にあるRconsoleファイルを管理者権限で開いて
font = TT Courier New
の行を
font = TT MS Gothic
に変更すれば起動時からエディターが日本語対応になります。
⑧時間依存性変数の解析で同一サンプルの行を特定するcluster(ID)オプションについて
EZRの時間依存性変数の解析ではcluster(ID)オプションは使用せず、各行を独立した行として扱っています。その根拠についてはsurvivalパッケージの著者のTerry
Therneauらによる"Using Time Dependent Covariates and Time Dependent
Coecients in the Cox Model"の記述をご覧ください。また、現在のEZRの解析方法によって、SASやStataと一致する結果が得られています。
⑨線形混合効果モデルでエラーが出る。
傾きと切片の両方をランダム効果として指定した場合、サンプル数x2のランダム効果が生じます。これをモデル化するためには、この数を超えるデータが必要になるので、各サンプルに対して2ポイントしか測定データがない場合はエラーが生じます。ランダム効果を傾きか切片のいずれかだけにするか、あるいは測定ポイントを増やすことで解決します。
⑩IPTWでのロバスト推定について。
IPTW解析では重み付けの数値が推定値であるため、標準誤差のロバスト推定による信頼区間の計算が必要になります。ロジスティック回帰でIPTW解析を行う際には標準誤差のロバスト推定のオプションを指定して下さい。比例ハザード回帰のcoxph()関数は整数でない重み付けがなされると自動的にロバスト推定が行われるのでオプションは不要です。
⑪マークダウンが正しく動作しない。
マークダウンは日本語(全角文字)に対応していないので、全角文字を削除する、あるいは半角文字に置き換えてからレポートを作成してください。EZR起動時に、ショートカットのオプションにLANG=ENをつけて英語版で起動すると、この作業は不要になります。
⑫問い合わせについて
FAQに沿って作業を行っても解決しない場合には、その作業過程と結果を規定のExcelシート(ここをクリック)に記入して添付した上でお知らせください。EZRは個人がボランティアで作成して無償配布しているソフトであり、問い合わせに対しても一人の医師が個人で対応していますので、必ずしもお返事できるかどうかはわかりませんが、可能であれば回答いたします(上記の作業過程シートが添付されていない場合には回答いたしません)。統計解析に関する問い合わせの場合は、右欄にある拙著を必ず熟読した上で、確認した書籍とその参照ページをお知らせください。連絡先は自治医科大学附属さいたま医療センター血液科教授 神田善伸
saitama-hem@jichi.ac.jp です。
↑ 入門~中級者用
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↑ 初級~中級者用
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↑ 中級~上級者用
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↑ EBMと臨床研究の解説書 |