消化管グループgroup

消化管グループについて

山本博徳教授をグループリーダーとして、食道から大腸までの全消化管領域の疾患治療を担当しています。特に内視鏡的粘膜下層切開剥離術(ESD)とダブルバルーン内視鏡(DBE)においては世界トップレベルの診療実績を自負しております。また、それら手技の普及のため、山本を中心として日本各地・世界各国で講演や実技指導を行っております。

消化管グループの得意分野
  • ヘリコバクター・ピロリ関連疾患の専門的治療
  • FICE(Flexible spectral Imaging Color Enhancement)・BLI(Blue LASER Imaging)と拡大観察による内視鏡診断学
  • 内視鏡的粘膜下層切開剥離術(ESD)による早期癌の内視鏡治療
  • ダブルバルーン内視鏡(DBE)による小腸疾患の診断・治療
  • 炎症性腸疾患の専門治療
  • ヘリコバクター・ピロリ感染およびその除菌治療に関連した研究
  • 腸内細菌叢に関連した研究
  • 新しい内視鏡治療器具の開発(富士フイルム社と共同)

消化管グループの診療・治療例

早期胃癌に対するESD

1.胃の幽門部のほとんどを占める早期胃癌。FICE(FUJI intelligent Chromo Endoscopy)・BLI(Blue LASER Imaging)を用いて病変の性質と境界を診断していきます。

2.当科が開発した先端細径透明フード(STフード)とヒアルロン酸ナトリウム局注液を使用して、内視鏡下に電気メスで病変を剥離していきます。

3.病変を取り去ったあとの胃と切除標本。胃の出口付近の粘膜のほとんどを剥離しました。

早期大腸癌に対するESD

1.直腸に認められたφ7cmの病変(左:通常観察、右:色素内視鏡観察)

2.当科が開発した先端細径透明フード(STフード)とヒアルロン酸ナトリウム局注液を使用して、内視鏡下に電気メスで病変を剥離していきます。

3.病変を取り去った後の直腸と切除標本。病変部の大きさはφ8cmでした。

ダブルバルーン内視鏡による小腸の内視鏡治療

1.当科とフジノン社によって開発されたダブルバルーン内視鏡とその挿入原理。

2.小腸狭窄に対する内視鏡下バルーン拡張術。クローン病などに合併しうる小腸狭窄に対して、開腹手術ではなく積極的に内視鏡治療を行っております。
※国内のバルーン内視鏡施行施設

クローン病の小腸狭窄に対するバルーン拡張術

カプセル内視鏡による小腸検査

小腸出血が疑われる患者さまに対して、カプセル内視鏡による小腸内視鏡検査を行っております。

実績(2020年)

診療実績

上部消化管内視鏡検査 6905件
上部消化管内視鏡下の粘膜切除術、粘膜切開剥離術 275件
内視鏡的超音波検査(食道・胃) 485件
大腸内視鏡検査 2846件 (4397件)(含外科)
大腸内視鏡下の治療 ポリペクトミー 1395件
粘膜切開剥離術 100件
ダブルバルーン小腸内視鏡 379件
小腸内視鏡下の処置・治療 158件
カプセル内視鏡(小腸) 66件

治療実績

食道・胃・十二指腸 ESDの成績
胃(一括切除率) 99.4%(178/179)
胃(断端陰性完全一括切除率) 93.9%(168/179)
食道(一括切除率) 98.7%(76/77)
食道(断端陰性完全一括切除率) 88.3%(68/77)
十二指腸(一括切除率) 100%(6/6)
十二指腸(断端陰性完全一括切除率) 66.7%(4/6)
偶発症 穿孔 0.90%
偶発症 後出血 2.60%
小腸 大腸
(結腸・直腸)
ESDの成績 (100病変)
腫瘍サイズ平均 φ35.2mm
一括切除率 97.0%(97/100)
出血率 2.0%(2/100)
穿孔率 5.0%(5/100)
患者のみなさまへ