受診のご案内

総合健診部 膵癌ドックのご案内

早期膵癌発見を目的とした膵癌ドック

最も早期発見が困難な膵癌に対して、血液検査、超音波検査、MRI検査、超音波内視鏡検査を駆使しで早期発見を目指す専門的な検診です。

*当センターは地域がん診療連携拠点病院に指定されています。
*検査の結果、異常が発見された場合にはご希望により当センターの消化器内科および一般・消化器外科をご紹介します。


検査内容

① 血液・腫瘍マーカー検査
膵臓疾患および糖尿病が疑われるときのスクリーニング検査と膵癌が存在するときに異常をしめす腫瘍マーカーを検索します。腫瘍マーカーの多くはがん細胞が異常な代謝をしていることで異常に増加する成分です。
 血液一般検査、アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、エラスターゼ1血糖、HbA1c
 CEA、CA19-9、DUPAN-2
② 超音波検査
膵癌を疑った場合や膵癌のリスクが高い場合、超音波検査を行うことは有用です。他の画像検査と相補的に活用することで膵癌の早期発見につながることが期待できます。
③ MRCP検査
膵癌は膵管に影響を及ぼすことが多いため、膵管の形の異常を検出するMRCP検査は診断に有用です。またCT検査と比較して放射線被爆がないため、膵癌診断において広く用いられることが期待されています。
④ 超音波内視鏡検査
超音波内視鏡検査は、他の画像検査と比較すると膵癌を高感度で検出することができるため、特に小膵癌の診断に重要な役割を担っています。ただし、内視鏡検査下に行うため、少し体に負担がかかります。

当センターのMRCP検査はAIによる画質向上技術を用いております。
人工知能技術を用いて設計したノイズ低減技術を用いることにより画像の滑らかさと自然な鮮鋭さとを両立させた画像を得ることができます。
その技術により撮像時間の短縮化と高画質化を実現しております。

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検査日時と結果報告

検査日時:毎週月曜日(定員2名)
受付   8時30分/9時
検査終了 12時/12時30分
結果報告:検査から約2~3週間後に医師から検査結果を報告いたします。

受診費用

110,000円(消費税含む)
※いずれの検査も健康保険の適用とはなりません。

膵癌ドックQ&A

1 膵癌ドックについて

A どんな人が膵癌ドックを受けた方がいいですか?
膵癌が発生しやすい人には次の特徴(危険因子)があります。
家族の中に膵癌になったことがある人がいる方(特に第一近親者に2人以上)
遺伝性膵炎や遺伝性膵癌症候群といわれた方
糖尿病が発症、糖尿病の治療中、糖尿病が急に悪化した方
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)や膵嚢胞が指摘されている方
喫煙する方
大量飲酒する方
肥満の方
これらに当てはまる人は膵癌ドックを受けることをお勧めします。

B 普通の人間ドックでは膵癌は見つからないのですか?
人間ドックでは、血液検査(腫瘍マーカー)、腹部の超音波検査、CT、MRI、PET-CTなどを行います。
腹部超音波検査は、一般的に広く行われていますが、膵臓が胃の後ろにあり、胃や大腸のガスが邪魔するために膵臓全体を観察することは大変難しいです。
腫瘍マーカーやPET-CTでは、早期膵癌の発見は難しいとされています。
一般の人間ドックでMRIをやっているところは少なく、CTも造影剤をつかわないと発見率が下がります。

C 膵癌ドックをうければ安心ですか?
超音波内視鏡検査、MRI、腹部超音波検査を組み合わせても、ごく早期の膵癌も含めた膵癌の発見率を100%にするのは難しいです。
膵癌が浸潤するまでは少なくとも5~6年はかかるといわれています。そのため、危険因子がある方は毎年もしくは1年おきくらいに膵癌ドックを受けることで早期での発見率が高くなることが期待されます。


2 膵癌について

A 膵臓はどこにありますか?
膵臓は、胃の後ろにある長さ20cm程の細長い臓器です。
体の右側から頭部、体部、尾部と呼ばれます。
膵頭部は十二指腸、膵尾部は脾臓と隣接します。

B 膵臓はどんな働きをしていますか?
膵臓は消化液である膵液を分泌し、膵管を通って十二指腸に排出し、食物に含まれるタンパク質、脂肪、炭水化物の消化を行います。
また、血糖値を調整するインスリンなどの様々なホルモンを分泌する機能もあります。

C 膵癌はどんな病気ですか?
膵臓にできる癌で、多くは膵管から発生する腺癌です。
膵臓は細い臓器で、周囲に血管やリンパ節が多いため、腫瘍が膵臓外に飛び出しやすく、リンパ節への転移、肝臓・肺への転移、おなかの中に癌細胞が散らばって広がる腹膜転移など進行しやすいといわれています。

D 膵癌はどんな症状が出ますか?
早期ではほとんど症状が出ませんが、間接的な症状として、糖尿病が新しく発症したり、治療中の糖尿病が急に悪化することがあります。
膵頭部に発生した膵癌では、進行すると、皮膚や眼球が黄色くなったり、尿が濃くなったり、便が白くなったりする黄疸の症状がみられます。
膵体部に発生した膵癌では、痛みを感じる神経が集まっているところに近いので、みぞおちや背中の痛みを感じます。
膵尾部に発生した膵癌では、進行しても症状が出ることが少ないです。

E 膵癌になったら助からないのですか?
膵癌の診断後に5年後まで生きている確率は100人中10人未満で、非常に治療成績は不良です。しかし、膵癌でもstage0といって浸潤癌になる前(いわゆる極々早期)に手術した場合であれば5年後までに再発せずに生きている確率が100人中80~90人くらいといわれています。
だからこそ、症状の出る前のできるだけ早い段階で診断し、手術することが重要視されています。

F 膵臓にできる病気は膵癌だけですか?
膵癌の他に、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)という粘液を産生する嚢胞性(袋状)の病変や神経内分泌腫瘍、充実性偽乳頭状腫瘍(SPN)、漿液性嚢胞性腫瘍(SCN)など様々な腫瘍が発生します。
膵癌ほど急激な進行をするものは少ないですが、待機的に手術が推奨されたり、経過観察が必要であったりしますので、診断をすることが重要です。

3 検査について

A MRIはどんな検査ですか?
MRIは強力な磁石と電波を使って磁場を発生させて行う検査です。CTと異なり、放射線被ばくはありませんが、15分から45分ほど検査時間が長くかかります。その間に大きな音がします。
トンネル状の検査装置の中に入るため、閉所恐怖症の方は注意が必要で、ペースメーカーや人工内耳、インプラントなどを入れている方、刺青、アートメイク、マスカラなどを使用している方はMRI検査を受けられない可能性があるので事前に確認します。

B 超音波内視鏡検査はどんな検査ですか?
超音波内視鏡は先端に超音波(エコー)装置がついている内視鏡検査で、膵臓に発生した10㎜以下の小さな病変を見つけるのに、現時点で最も優れた検査の一つです。胃や十二指腸に内視鏡を挿入して観察するので、通常の超音波検査と異なり、観察に邪魔になる空気や脂肪、骨などがない状態で膵臓を観察することができます。
特殊な内視鏡ですので、通常の胃カメラより太めです。そのため、静脈から眠るお薬を入れて、寝ている状態(鎮静下)で検査を行います。鎮静の深さには個人差があり、完全には眠らないこともありますが、つらくない状態で受けていただきます。

C 膵癌が疑われた場合どうしたいいですか?
より詳しい検査を行って、確定診断と治療方針が決まります。当センターの消化器内科と一般・消化器外科で引き続き検査と治療を提供することが可能です。

D 膵癌以外の病気が見つかることがありますか?
膵臓の他、胆管や胆嚢、肝臓、副腎、脾臓なども観察しますので、それらに病気がある場合に見つかることもあります。

E 検査結果の説明はどのような形で聞くことができますか?
結果説明の日程を予約し、当院の消化器内科、もしくは、一般・消化器外科の説明担当医師から説明を行います。

4 その他

A 予約はいつまでにしたらいいですか?
2週間前まで電話で予約を受け付けています。

B 当日のお薬はどうしたらいいですか?
内服薬は継続してもらって問題ありません。
しかし、内視鏡検査のために朝から絶食にしてもらうので、糖尿病のお薬やインスリンを受けている方は、低血糖になる可能性が高いため、中止してもらっています。特にインスリンに関しては効果時間の違いもありますので、処方してもらっているかかりつけの先生に事前にご相談してください。

C ドックを受けた後の注意点はありますか?
眠るお薬を使うため、ドックを受けていただいた後は、その日一日は急な眠気に襲われることがあります。そのため、自転車や車の運転などはできません。

D 駐車場はありますか?
予約はありませんが、施設内に駐車場があります。(有料)
ただし、眠るお薬を検査で使いますので、ご本人様は車の運転をして帰ることができません。

E 公共交通機関はありますか?
最寄りの駅である大宮駅から自治医大行きのバスがでています。
運行時間に関しては以下のURLをご参照ください。
https://transfer.navitime.biz/5931bus/pc/diagram/BusDiagram?orvCode=00021364&course=0001000124&stopNo=1

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F 付き添いの家族が待っている場所はありますか?
院内の食堂やコンビニをご利用ください。

G キャンセルは可能ですか?
2週間前までキャンセルは可能です。
当日に発熱や体調不良で受診できない際はご連絡をお願いします。


当センターには治療のスペシャリストが在籍しています。 検査の結果、異常が発見された場合には、ご希望により当センターの専門診療科をご紹介いたします。

(令和5年8月現在)

胃癌・食道癌

松本 吏弘

消化器内科 松本 吏弘

齊藤 正昭

一般・消化器外科 齊藤 正昭

大腸癌

松本 吏弘

消化器内科 松本 吏弘

宮倉 安幸

一般・消化器外科 宮倉 安幸

肝臓癌

浅野 岳晴

消化器内科 浅野 岳晴

力山 敏樹

一般・消化器外科 力山 敏樹

膵癌・胆道癌

関根 匡成

消化器内科 関根 匡成

力山 敏樹

一般・消化器外科 力山 敏樹

乳癌

蓬原 一茂

一般・消化器外科 蓬原 一茂

頭頸部癌・甲状腺癌

鈴木 政美

耳鼻咽喉・頭頸部外科 鈴木 政美

肺癌

山口 泰弘

呼吸器内科 山口 泰弘

遠藤 俊輔

呼吸器外科 遠藤 俊輔

子宮癌・卵巣癌

近澤 研郎

産婦人科 近澤 研郎

前立腺癌・腎臓癌・膀胱癌

泌尿器科 宮川 友明

皮膚癌

前川 武雄

皮膚科 前川 武雄

骨・軟部組織の腫瘍

秋山 達

整形外科 秋山 達

血液悪性腫瘍

賀古 真一

血液科 賀古 真一

化学療法

鈴木 浩一

オンコロジーセンター 鈴木 浩一




お申し込み・お問い合わせ

検診は全て予約制です。お申込みの方は、下記までお電話ください。
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☏ 048(782)4679 検診専用
総合健診センター 受付時間/平日 8時30分~17時
ホームページ https://www.jichi.ac.jp/center/

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