指導医からのメッセージ

鷹栖 相崇 先生
(自治医科大学附属病院 救急科 令和6年度附属病院優秀指導医賞受賞)

 鷹栖 相崇先生

今年度、優秀指導医をいただきました、救命センターの鷹栖です。 正直、自分の好きなことばかりやっている私が研修医の皆さんから評価をいただけたことに、驚きとともに少し不思議な気持ちを抱いています。ただ、このような多様な価値観を受け入れ、それぞれの個性を尊重してくれるのが、自治医大の魅力なのだと改めて感じました。

今回、若手の皆さんに向けてメッセージを、とのことでしたが、大層なことを語れるほどの立場でもなく、誇れるような人生を歩んできたわけでもありません。しかし、この機会に、自分が日々どのように生きているのかを振り返ってみました。

医師として大切なのは、決して高尚な理念ではなく、真摯に、そして幸せに生きることだと思っています。仕事はもちろん、プライベートや趣味、家族、仲間など、すべてが大切です。本気で学び、考え、楽しむこと。それこそが、人間らしく、良き臨床医として成長するための原動力になるのではないでしょうか。

初期研修医や後期研修医として過ごすこの期間は、価値観を広げ、人生の多様性を学び、仕事の楽しさを知る大切な機会です。知識や技術を習得するだけでなく、自分の医師としての在り方を模索しながら成長していく時期でもあります。そんな瞬間に立ち会えることは、教育に携わる者として何よりの喜びです。

もともとそれほど真面目な人間ではありませんが、どんなに歳を重ねても、人生や仕事を楽しむことの大切さを若手の皆さんに伝え続けていきたいと思っています。

自治医大の優秀な指導医の先生方、仲間たち、後輩の皆さんのおかげで今の自分があり、その学びを次世代へつなげていくことが私の役割の一つだと考えています。これからも患者さんと向き合い、日々の診療を大切にして、若手の皆と成長していけたらと思います。

南 建輔 先生
(自治医科大学附属病院 感染症科 令和6年度附属病院優秀指導医賞受賞)

南 建輔先生

感染症科の南建輔と申します。感染症は、どの科に進んでも、遭遇する分野の一つです。しかし、抗菌薬の種類は多く、培養から検出される菌も様々で、苦手意識のある研修医の方が多いかもしれません。ただ、感染症診療の原則が理解できると、入院中の患者が発熱した時に、どう対応すべきなのか、あるいは培養から検出された微生物の感受性結果を基に、適切に抗菌薬を狭域化できるようになってきます。感染症は、臓器横断的な領域であり、各臓器に起こる感染症を学ぶ上で、解剖学的な理解も時に重要となります。そのため、初期研修医の先生が、どのようなツールを利用して勉強していくのかも大事なポイントだと考え、その指導も行なっています。研修当初は、カンファランスでのプレゼンテーションが辿々しくても、後半では、自分で勉強したことも含めながら堂々と発表する姿を見ると、教員としてやりがいを感じます。医学の進歩は目覚ましく、覚えるべき知識は膨大ですが、それだけ、日々新たな発見があり、興味深いです。研修医の皆さんと一緒に学び、共に成長できればと思います。

岡 健太郎 先生
(自治医科大学附属病院 腎臓内科 令和6年度附属病院優秀指導医賞受賞)

岡 健太郎 先生

平素より大変お世話になっております、腎臓内科の岡と申します。此度は優秀指導医賞に選んでいただきましたこと、心より御礼申し上げます。尊敬する先輩や後輩が受賞されていた中でそれに続くことができたことを大変光栄に思います。とは言うものの、褒められるような学生でなかった私がこのような栄誉を賜ったことについては私自身が一番驚いているというのが正直なところです。

今回は学生をはじめとした皆様へのメッセージということで、自治医科大学の環境について私が一番重要と考える点について宣伝させていただきます。

自治医大は全国の皆様が研修に来てくださるおかげで同期に限らずたくさんの若い先生が勤務されています。私は各科に年次の近い先生がいて困った時に気軽にご意見を賜ることができる環境にいつも助けられており、この環境に自分も何かしら貢献できるようにと専門領域の研鑚に努めるように変わっていったことを記憶しております。

こうして先生方から賜った知見が私の診療の基礎を形成しており、それを研修医の皆様に還元していたら賞を貰えてしまったことが特筆すべき点なのだと思いました。自治医大はそうでない学生もそれなりになれる研鑚の場であるということで、これを読む皆様が当院に興味を持っていただけたら嬉しく思います。

大事なことは他の先生方が仰っているはずなので岡よりは最後に一つ。皆様、真船一雄先生のK2(イブニングKC)を読んでください。

中村 博大 先生
(自治医科大学附属病院 精神科 令和6年度附属病院優秀指導医賞受賞)

中村博大 先生

精神医学講座の中村博大と申します。この度は優秀指導医賞という素晴らしい賞を頂きありがとうございました。研修医の先生を指導する立場ですが、最近は優秀な先生も多く、学ばせていただくことも多々あり私自身も研修医の先生から日々刺激を受け楽しく仕事ができております。

私は自治医大附属病院で初期研修を終え、当院精神科へ入局いたしました。元々は内科を志望しておりましたが精神疾患が併存しているというだけの理由から大学病院で治療しなければならなくなっている患者さんが多いことを目の当たりにし、精神科の勉強も身体的治療も同様にできる必要があるのではと考え志望することにしました。私自身もそうですが、入局してからずっと主治医をさせていただいている患者さんも沢山おり、よく「ゆりかごから墓場まで」と言いますが、精神科では人生の岐路を一緒に過ごすことが多く、そういった「人」を観ること自体が好きな人が精神科には多い印象です。今は必修となったため1か月間は必ず精神科を研修すると思いますが、他の科同様1か月だけでは全く意味が分からないことが多かったと思います。それには患者さんにとっては長い人生の中の1か月ですから、そこを切り取っても長編映画を5分だけ見て内容を理解できないように患者さんの苦悩は分からなかったかもしれません。しかし映画も何本も見ていれば「こういう内容かな?」と推測できるように、何人もの患者さんを診ていれば何となく短時間でも推察できてしまうようになります。精神科研修では精神疾患を診ることを学ぶことも重要だと思いますが、是非「人」を観ることを学んでいただけると面白いのではないかと個人的には思います。

2年間の初期研修短い時間ですが、是非自治医大で有意義な研修生活を送ってください。

古川 元春 先生
(自治医科大学附属病院 精神科 令和6年度附属病院優秀指導医賞受賞)

古川元春 先生

このたびは優秀指導医賞という栄誉ある賞を頂き、大変光栄に思います。

日々の診療と教育の中で、私自身も多くの学びと成長の機会を得ており、それをこのような形で評価していただけたことに、心から感謝申し上げます。

医師として心がけているのは、医療の知識や技術だけでなく、患者さんに寄り添う姿勢やチーム医療の大切さを伝えることです。ともに働く研修医の先生や学生さん皆さんが、自ら考え行動し、医師としての自信を育んでいく過程を支えることは、私にとって何よりのやりがいです。

この賞は、私一人の力では決していただけなかったものであり、日々共に学び合う仲間や先輩方、そして温かく見守ってくださる患者さん・ご家族のおかげです。

これからも、初心を忘れず、誠実に、そして前向きに教育と診療に励んでまいります。引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

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