形成外科学講座

臨床プロジェクト

乳房再建におけるドレーン留置期間に関する臨床研究

乳癌手術後の乳房再建の方法としては、シリコン製の人工物によって欠損した組織を補う方法と、お腹や背中などの自分の組織(自家組織)を移動することによって欠損した部分を補う方法があります。
当院では、自家組織による再建を行う場合、深下腹壁動脈穿通枝皮弁による乳房再建を積極的に行っています。これはお腹の組織を肉や神経を丁寧に分けて温存する作業が必要なため、技術的な難易度が高く、手術時間もインプラントに比べると長くなります。また、回復までに時間がかかり、術後約2日間はベッド上安静が必要で、入院期間も人工物による再建と比べて長くなります。
当院では、腹部のドレーン留置期間や、閉創方法によって、術後創部合併症の発生率や入院期間にどのような影響が与えられているかの比較検討を行っております。

深下腹壁動脈穿通枝を用いた自家組織による乳房再建のイメージ

薄膜テープを用いたケロイドの治療

伸展性のあるテープを用いて、切除後の傷痕をきれいにしたり、すでにできてしまったケロイドや肥厚性瘢痕の治療を行います。
瘢痕やケロイドを切除して、透明の薄いテープを6か月間貼付します。テープは生活上の支障は全くありませんので、快適に生活を送ることができます。1年を経過した時点で、傷痕の評価を行います。これまでの研究で、大きな改善が認められており、交通事故や外傷の後のケガや手術でできた傷痕などの治療に大きな期待が寄せられております。


形成外科で扱う疾患