形成外科学講座

切り傷、咬傷

外傷(ケガ)によってできる創(キズ)には様々なものがあり、擦過創(擦り傷)、挫創、刺傷(刺し傷)、咬傷(咬み傷)などに分けられます。 キズの状態によって処置は様々に異なりますが、受傷機転や受傷後の経過時間から、汚染のないキズであると判断した場合は、キズを閉じる処置を行います。切り傷の場合は針や糸を使ってキズを縫い閉じる処置を行いますが、この時、キズが脂肪や筋肉にまで到達しているのか、神経や血管の損傷があるのかによって処置が異なります。これらの損傷がある場合は専門的な修復が必要となることがあります。また、若い女性やお子様の顔や手のキズなど、整容面や機能面で特に問題が起きやすいキズの処置は、形成外科医による専門的な治療が勧められることがあります。

一方、咬傷の場合などはキズの深部まで口腔内の細菌により汚染されていると考えられますので、多量の水でキズを洗浄してから、汚れた組織を取り除き、感染を防ぐ処置を行うことが最も重要です。洗浄・軟膏処置を続けながら、数日間かけてキズが安定するのを待ちます。もしも皮膚の欠損がある場合は、人工真皮というコラーゲンからなる製品を使用してキズの治りを促進することもあります。

形成外科で扱う疾患