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第2次自治医大災害派遣チーム活動報告
~復旧・復興へ 人と人とのつながりを感じて~

 

第1次派遣チームに引き続き、4月2日から4月9日までの8日間、大船渡市の医療支援の継続を目的として、医師3名、看護師2名、薬剤師2名、事務職員1名の計8名からなる第2次自治医大災害派遣チームが派遣されました。
4月2日朝7時に2台の自家用車に分乗して自治医大を出発しました。1台は第1次派遣チームの帰還用で、もう1台は現地での機動力を上げるために手配されたものでした。同日午後の到着後、直ちに巡回先である末崎中学校で診療を行っていた第1次チームからの引き継ぎを受けました。その後の市役所での連絡会からは第1次チームに代わって第2次チームが参加しました。

 

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第1次チームの報告で知ってはいましたが、実際に見る大船渡市の被害状況は衝撃的で筆舌に尽くしがたいものでした。しかし、私たちがいる間にも倒壊した建物の撤去が行われたり、スーパーマーケットが再開したり、また、私たちが帰路につく頃には巡回診療先である末崎中学校のグラウンドに仮設住宅の建設が始まるなど、少しずつですが確実に復旧・復興の兆しが見えていました。

 

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診療内容は概ね第1次チームと同じで、末崎地域の10カ所程度の避難所を回り出張外来を行いました。同時に2カ所の診療を担うことが多く、チームを2つに分けて行動することが多かったです。少数ですが、被災されながらも在宅で過ごされている方々の往診も行いました。これらは第1次チームからお世話になっている大船渡市の保健師さんが引き続きコーディネートして下さいました。疾患としても第1次チームと同様で花粉症、高血圧、感冒、不眠などが主たるものでしたが、数人はインフルエンザから肺炎になり県立大船渡病院へ紹介しました。また、深部静脈血栓症が疑われる方もいらっしゃり、持ち込んだポータブルエコーでの検査と、弾性ストッキングの着用を含めた生活指導も行いました。

 

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第2次チームから新たに始まった活動としては、地元診療所医師への支援があげられます。末崎地域にはもともとごく少数の診療所の先生しかいらっしゃいませんでした。その先生は地域の方々から厚く信頼されており、まさしく地域医療を支えていらっしゃいました。しかし、今回の震災で、先生ご自身も被災され、診療所を失い、カルテも喪失し、診療再開のめどが立っていない状況でした。しかし、震災発生から3週間が経ち、医療支援チームがいくつか入っている中でも、その先生の診療再開を望む患者さんの声が多く聞かれ、その期待に応えるべく、その先生が仮設診療所で診療を再開するという話が流れると多くの患者さんが、喜び、そちらへの受診を希望したほどでした。私たちは、その先生の診療再開にあたり、私たちの数週間のカルテを提供するためにその先生にお会いしました。先生は地域全体のことを考え、苦労を厭わずに、診療を再開する考えでいらっしゃいましたが、やはり、被災による精神的ダメージは大きいとお見受けしました。
そのため私たちは、カルテを渡すのみでなく、人的にもサポートを行うことで先生の診療再開を横支えし、ひいては末崎地域の地域医療再建に貢献できればと考え、新たな支援を開始しました。実際の医療支援活動としては微々たるものしか出来ませんでしたが、精神的に先生の支えになることが出来、先生が、地元の方々と再度地域医療を作り上げようと思う原動力の一部になれればと思いました。

今回の派遣では、被災地域の衝撃的な惨状を目の当たりにする一方で、地元医師と地域住民の心の通い合いや、それをサポートしようとする看護師、保健師の方々の心に触れることが出来、コミュニティーの持つ力が復興への原動力となる希望を感じることが出来ました。また機会があれば是非、医療支援にも、復興なった大船渡市にも伺いたいと思います。(神田健史)

 

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4月9日、第2次災害派遣メンバー(右)から第3次災害派遣メンバー(左)にバトンタッチ

第1次災害派遣チーム活動報告 | 第3次災害派遣チーム活動報告

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