現在、1年間に約5万人の日本人女性が乳がんに罹患し、1万人を超える大切な命が失われています。年齢別発生頻度では、30歳代から上昇がみられ、家庭的にも社会的にも重要な立場にある40~50歳代でピークとなっています。再発や転移がなく経過していても、最長10年の期間を要する乳がん治療は、様々なサポート体制が重要な鍵となります。
当院では、1年間に延べ15000人の乳がん患者さんが通院し、約260人(2008年度)の方が乳がん手術を受けています。ひとりひとりに合ったより良い医療を提供できるように、乳がん治療・ケアに携わる多職種の専門家(医師・看護師・コメディカル)が連携し、チームで乳がん医療に取り組んでいます。
私は、昨年から看護部所属となり、外来通院中の患者さんやご家族の方々だけでなく、入院中の患者さん達にも関わるようになりました。
多くの看護師とともに、診断前の不安な時期への関わりや告知後の支援、治療選択時の支援、治療にともなう身体的・心理的・社会的支援、ボディイメージの変容に対するケア、リンパ浮腫予防や症状緩和への支援等に関わっています。外来から病棟へ、そして病棟から外来や地域への看護を継続的に提供できるように、他の看護職者に対する相談や指導も積極的に行い、看護の質の向上に努めています。
2006年には、乳がん患者さんやご家族の方々と医療者とのコミュニケーション、医療者間のチーム力と医療の質の向上を目的として、院内に乳がん患者会「ピンクリボン桜の会」を設立しました。年間5回の会の開催ですが、これまでに参加した患者さんやご家族の人数は延べ500人を超えました。私自身も、講義やグループディスカッションでの関わりから、多くの学びやかけがえのないない友人を得、楽しい温泉旅行や素敵なコンサートでは心がとても癒されています。
また、栃木県内や近隣県の乳がん看護の質の向上と均点化を目的として、2009年に栃木BCN(BREAST CARE NURSE)研究会を立ち上げました。勉強会や講演会から多くの施設の方々とコミュニケーションを図り、地域と連携した看護を提供しています。
これからも、乳がんに罹患した患者さん、そしてご家族の方々と一緒に歩んでいきたいと思います。