自治医科大学 循環器内科学部門

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不整脈


不整脈

当院では不整脈治療として基本となる薬物療法とともに、心臓電気生理検査・カテーテルアブレーションおよび植込み型電子デバイス(ペースメーカー、植え込み型除細動器 (ICD)、心室再同期療法 (CRT))の手術を行っています。

●心臓電気生理検査・カテーテルアブレーション 
全てのタイプの頻脈性不整脈に対しての心臓電気生理検査、カテーテル治療を実施しており、最近は7割近くを心房作動治療が占めるようになり高周波アブレーション、クライオバルーンアブレーション適宜実施しております。最短で3泊4日で治療が行えます。
●ペースメーカー植え込み、植え込み型除細動器 (ICD)、心室再同期療法 (CRT)植え込み・交換ペースメーカーはもちろんのこと、致死性不整脈に対するICD、心不全に対するCRT植え込みを積極的に行っております。加えて昨年度から皮下ICD植込み、エキシマレーザーを用いたリード抜去を開始しております。

臨床アクティビティ 2018年度~2019年度

●カテーテルアブレーション:年間220例(内訳:心房細動143例、心房粗動62例、上室頻拍/WPW症候群61例、心室頻拍・期外収縮7例 他)
(クライオバルーンによるアブレーションは117件)

当科では従来、カテーテルアブレーションの古典的適応とされる発作性上室頻拍、WPW症候群、心房粗動、特発性心室頻拍がカテーテルアブレーション症例の大半を占めておりましたが、近年では心房細動が過半数を占めるようになりました。特に2016年11月から栃木県初で心房細動に対するクライオバルーンアブレーションを導入、それ以後さらに心房細動の手技が増加し現在に至っております。心房細動アブレーションの実に6~7割がクライオバルーンアブレーション、残りが従来の高周波アブレーション(3次元マッピングCARTOをガイドとしたもの)となっております。発作性心房細動の多くの不整脈発作の引き金となる肺静脈に対する肺静脈隔離を基本とし、症例により上大静脈隔離、三尖弁・下大静脈峡部ブロックライン作成、左房後壁隔離などを追加しております。発作性心房細動の場合は初回治療で65~70%程度の発作抑制が得られ、再発した場合も2回目の追加治療を行うことで70~80%の心房細動抑制が得られております。心房細動においては特にそうですが、単に不整脈の管理のみならずその背景因子としての高血圧、睡眠時無呼吸、心不全など、総合的に評価と管理を行うことで、よりよい成績を目指して診療科全体で取り組んでおります。2017年4月から土浦協同病院で2年間修練を積んだ渡部智紀先生が本学に戻られこの領域の牽引役となり、また2017年4月から2019年3月までの2年間、横山靖浩先生が不整脈チームの一員として加わり精力的に手技に取り組まれました(2019年4月より国立循環器病研究センター勤務)。さらに2017年4月から筑波大学へ国内留学され最先端の不整脈診療の研鑽を積まれた渡邉裕昭先生が、この春に帰局し活躍されております。そして土浦協同病院循環器内科部長でカテーテルアブレーションのトップランナーのお一人である蜂谷仁先生にも月1~2回ご来院いただき、難易度の高い症例や治療抵抗性の症例についてご指導いただいております。2018年11月新・カテーテル室のオープン・移動となり、最新の充実した環境の中で最善の不整脈治療が提供できるようチーム一丸となって取り組んでおります。このカテーテル室ではMediguideと呼ばれる磁場環境でカテーテル位置を正確に描出し、放射線被爆を低減できるシステムが国内2施設目として導入されており症例によってはそのシステムを活かした新しいアブレーションも行いつつあります。また小児科と連携しつつ小児例にも積極的に治療に取り組んでおります。

●ペースメーカー手術: 年間 85例 (新規54例、交換31例)
患者さんの病態にあわせて最も適切な機種を選定し植え込みを行っております。新規植込みは全例MRI対応機種であり、MRI検査が必要となった場合、不整脈医が常に立会いを行い、かつその検査前後でのデバイスのチェックを行っており、患者さんのニーズに最大限お応えできるようにしております。2017年度はついにリードレスペースメーカー植込みも自治医大でも始まりました。加えて昨年度からエキシマレーザーを用いたリード抜去を開始しております。

●ICD/ CRT手術 年間72例 (新規39例、交換33例)
ICDは脈なしVT、VFの既往のある方の再発予防(二次予防)の植え込みが多いですが、その既往がなくてもリスクの高い症例への植え込み(一次予防)にも取り組んでおります。 心臓再同期療法においては新規症例では左室リード(冠静脈経由で挿入される)は4極リードを用い、術中もペーシングによる急性効果を確認しながら最適なリード位置およびペーシング条件を考慮しつつ手技を行っております。植え込み除細動器は従来の経静脈的にリード線を留置するものに加えて、皮下にリード線を挿入するタイプの皮下ICD(s-ICD)が国内で使用可能ですが、当科におきましても2018年度開始することができました。また除細動器植え込みまでのつなぎとしての着用型除細動器WCDを積極的に導入しており、致死的不整脈のハイリスク症例のブリッジ治療として実施しております。

研究アクティビティ 2018年度~2019年度

2018年度におきまして日本循環器学会、日本不整脈心電学会および関連学会(アブレーション、デバイス)、Asian-Pacific Heart Rhythm Society Meeting(APHRS)2019(Taiwan)等で不整脈診療・臨床研究あるいは不整脈と血圧・血行動態に関する研究について学術発表を行っています。また、毎週不整脈カンファランス、月1回心不全・不整脈ジョイントリサーチミーティングを行っています。後進の指導については発作性心房細動も含めた主に上室性不整脈に対するカテーテルアブレーションおよびペースメーカー植え込みを責任もって実施できる若手医師を育成できる指導体制を敷いています。また小児科、心臓血管外科とも連携しつつ、心臓手術術後、先天性心疾患合併の不整脈にも対応しております。ハイブリット手術室が出来たことにより、積極的にデバイス植え込みを実施しておりますが、リード抜去の症例増加、新しい手技として試みられるべきHisbundle pacingの導入など、植え込み型電子デバイスに関わる治療を網羅すべく今後さらに発展していく予定です。一緒に仕事をする仲間を募集しています。


研究アクティビティ