自治医科大学 循環器内科学部門

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不整脈


不整脈

当院では不整脈治療として基本となる薬物療法とともに、心臓電気生理検査・カテーテルアブレーションおよび植込み型電子デバイス(ペースメーカー、植え込み型除細動器 (ICD)、心室再同期療法 (CRT))の手術を行っています。

●心臓電気生理検査・カテーテルアブレーション 
全てのタイプの頻脈性不整脈に対しての心臓電気生理検査、カテーテル治療を実施しております。全体の半数が心房細動ですが、高周波アブレーション、クライオバルーンアブレーションを症例ごとに適宜選択し実施しております。最短で3泊4日で治療が行えます。
●ペースメーカー植え込み、植え込み型除細動器 (ICD)、心室再同期療法 (CRT)植え込み・交換ペースメーカーはもちろんのこと、致死性不整脈に対するICD、心不全に対するCRT植え込みを積極的に行っております。

臨床アクティビティ 2017年度

●心臓電気生理検査・カテーテルアブレーション:年間 208例(内訳心房細動98例、心房粗動30例、上室頻拍/WPW症候群 61例、心室頻拍・期外収縮17例 他)
当科では従来、カテーテルアブレーションの古典的適応とされる発作性上室頻拍、WPW症候群、心房粗動、特発性心室頻拍がカテーテルアブレーション症例の大半を占めておりましたが近年では心房細動が半数を占めるようになりました。特に2016年11月から栃木県初で心房細動に対するクライオバルーンアブレーションを導入、それ以後さらに心房細動の手技が増加し現在に至っております。心房細動アブレーションの半分がクライオバルーンアブレーション、残り半数が従来の高周波アブレーション(3次元マッピング CARTOをガイドとしたもの)となっております。発作性心房細動の多くの不整脈発作の引き金となる肺静脈に対する肺静脈隔離を基本として、症例により上大静脈隔離、三尖弁・下大静脈峡部ブロックライン作成、左房後壁隔離などを追加しております。発作性心房細動の場合は初回治療で65-70%程度の発作抑制が得られ、再発した場合も2回目の追加治療を行うことで70-80%の心房細動抑制が得られております。心房細動においては特にそうですが、単に不整脈の管理のみならずその背景因子としての高血圧、睡眠時無呼吸、心不全など、総合的に評価と管理を行うことで、よりよい成績を目指して診療科全体で取り組んでおります。2017年4月から土浦共同病院で2年間修練を積んだ渡部智紀先生が本学に戻られこの領域の牽引役となり、また横山靖浩先生が不整脈チームの一員として加わりました。また現在、不整脈診療の研鑽を積むために渡邊裕昭先生が筑波大学に国内留学しております。さらに土浦共同病院循環器内科部長でカテーテルアブレーションのトップランナーのお一人である蜂谷仁先生にも月1~2回ご来院頂いており、難易度の高い症例や治療抵抗性の症例についてご指導を頂いております。2018年10月新・カテーテル室のオープンに向けてさらに多くの症例を、かつ各不整脈疾患に最善の治療が提供できるようチーム一丸となって取り組んで参りたいと思います。その際にはさらに治療成績を向上させ、かつ医療スタッフの負担を軽減するため新規機材を導入する予定です。また小児科と連携しつつ小児例にも積極的に治療に取り組んでおります。

●ペースメーカー手術: 年間 83例 (新規58例、交換25例)
患者さんの病態にあわせて最も適切な機種を選定し植え込みを行っております。新規植込みは全例MRI対応機種であり、MRI検査が必要となった場合、不整脈医が常に立会いを行い、かつその検査前後でのデバイスのチェックを行っており、患者さんのニーズに最大限お応えできるようにしております。2017年度はついにリードレスペースメーカー植込みも自治医大でも始まり2例の植え込みを実施しました。今のところ、症例を限定・吟味して実施しておりますが今後増加していくものと思われます。

●ICD/ CRT手術 年間55例 (新規31例、交換24例)
ICDは脈なしVT,VFの既往のある方の再発予防(二次予防)の植え込みが多いですが、その既往がなくてもリスクの高い症例への植え込み(一次予防)にも取り組んでおります。 心臓再同期療法においては新規症例では左室リード(冠静脈経由で挿入される)は4極リードを用い、術中もペーシングによる急性効果を確認しながら最適なリード位置およびペーシング条件を考慮しつつ手技を行っております。昨年度夏からは右室1点、左室側2点の3点からペーシングを行うmultipoint pacing (MPP)が日本において上市され新規植え込みはその対応機種を使っております。今後も最新のシステムも積極的に導入し、心不全治療のさらなる治療効果向上を目指して参ります。 植え込み型除細動器は従来の経静脈的にリード線を留置するものに加えて、皮下にリード線を挿入するタイプの皮下ICD(s-ICD)が国内で使用可能ですが、当科におきましてもその実施に向けて準備を進めております。また除細動器植え込みまでのつなぎとしての着用型除細動器WCDを積極的に導入しており、致死的不整脈のハイリスク症例のブリッジ治療として実施しております。

研究アクティビティ 2017年度

2017年度におきまして日本循環器学会、日本不整脈心電学会および関連学会(アブレーション、デバイス)、Europace/Cardiostim 2017等で学術発表を行っています。また、毎週不整脈カンファランス、月に1回心不全・不整脈ジョイントリサーチミーティングを行っています。 後進の指導については発作性心房細動も含めた主に上室性不整脈に対するカテーテルアブレーションおよびペースメーカー植え込みを責任もって実施できる若手医師を育成できる指導体制を敷いています。また小児科、心臓血管外科とも連携しつつ、心臓手術術後、先天性心疾患合併の不整脈にも対応しております。 ハイブリッド手術室が出来、その部屋もあいていれば積極的に使用してデバイス植え込みを多く実施しておりますが、ハイブリッド手術室を活用しエキシマレーザーを用いたリード抜去など、植え込み型電子デバイスに関わる治療を網羅すべく今後さらに発展していく予定です。 一緒に仕事をする仲間を募集しています。


研究アクティビティ