救命救急センター間藤 卓 教授のコラム
日々の狭間、医療の谷間
自治医科大学救命救急センターで、日々、物事の狭間を覗き込み、あわよくば医療の谷間に灯をともす…

『しんのすけくん』は救命主ならぬ救世主
胸骨圧迫トレーニングの秘密兵器登場!

2017.03.24 間藤 卓(Takashi Mato)

心臓が胸の左側にあるから左側の胸を押す・・・のが心臓マッサージ、と思っている人は流石に最近はさすがに見なくなりました。「誤解を呼ぶような表現は止めましょう」ということで、最近は心臓マッサージのことを胸骨圧迫といいますが、その正しいやり方(と最新の検証により考えられている方法)が書かれているのが「蘇生ガイドライン」です。
 
この「蘇生ガイドライン」が、日本蘇生協会(JRC)より5年ぶりに改訂され「JEC蘇生ガイドライン2015」として公表されました。
 
今回の改訂のポイントの一つが、これまで(ガイドライン2010)では『5センチ以上』であった胸骨圧迫の"深さ"が、『5センチ以上で6センチを超えない』になったことです。
 
一般に経験の浅い方が胸骨圧迫をするとどうしても浅めになりがちですので、これまでは「5センチ以上を心がけて、思いきりよく圧迫してください」と言っていたところを、「これからは、『5センチ以上、6センチを超えない』深さで圧迫してくださいとね」と指導しなくてはならなくなりました。(もう、この言い方自体、なんか勢いが減っていますよね)
 
さらにガイドラインでは、『胸骨圧迫では、押したら胸の位置をしっかりと元に戻すことが重要』ということも強調されています。たしかに強く押しっぱなしでは、胸郭がポンプとして機能しませんから、胸骨圧迫の効果も半減です。ですので効果的な胸骨圧迫をする際は、完全に胸が戻る感触を会得する重要性が強調されてきたわけです。

しかし・・・・、これは、"言うは易く行うは難し"でして、理屈ではなく躰の感覚としてこれを正確に一定時間行いつづけるのは、プロでも一朝一夕にはなかなか難しいわけです。まして、それを一般の方々に覚えていただくことが如何に難しいことなのか・・・は、想像に難くありません。
 
なにより・・・、講習を受けて、「正確な胸骨圧迫って難しいな・・・」という印象を講習をうける方に持ってしまわれては、漸く増えてきたバイスタンダーCPR症例が減ってしまいかねません。

そんな昨今、指導する側と指導される側の悩みを一挙に解決してくれる救世主が、この『しんのすけくん』です。
 

しんのすけくん

 
しんのすけくんは、通常の成人CPRトレーニングマネキンに装着して、その上から胸骨圧迫をすると、圧迫した正確な場所や、なによりその深さが数値として表示されます。キチンと胸郭が戻るような胸骨圧迫か否かも判定してくれます。
 
総合判定で点数が出るのはご愛敬ですが、なにより、私も一度試してみて、あらためて『5センチ以上で6センチを超えない』胸骨圧迫をカラダに染みこませることができました。
 
ともあれ百聞は一見にしかず、です。自治の麻酔科の講師でもある、救命救急東京研修所教授の南先生が開発した、『胸骨圧迫 訓練評価システム しんのすけくん』をぜひ一度ためしてみてください。
 
これで明日からの胸骨圧迫に自信が持てます!みなさまもきっと病みつきになりますよ。
(機能の詳細等は、住友理工のHPの資料をご覧下さい)
 
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