救命外傷センター構想

救急外傷センター概念図

2020年からは、ハイブリッド初療室
(ハイブリッド処置室、ハイブリッドCT/血管造影室)、
高度集中治療ベッド8床の整備にとともに、
救命外傷センター構想をスタートさせる予定です。

2020年からは、ハイブリッド初療室(ハイブリッド処置室、ハイブリッドCT/血管造影室)、高度集中治療ベッド8床の整備にとともに、救命外傷センター構想をスタートさせる予定です。

救命外傷センター*は、一言でいえば、“防ぎえた外傷死(preventable trauma death:以下 PTD)”を減少させ、外傷患者の早期社会復帰率を向上させるために、自治医科大学病院に救命外傷センター他多くの科の協力を得て設立される組織です。

“防ぎえた死”、とはいささか穏やかではない言葉ですが、外傷に於いて米国で1960年代にPTDは25−50%にのぼったといわれます。しかしその後、外傷センター・外傷治療システムを整備したことでこのPTDが1−20%に激減したことからその意義は明らかです。

さて外傷においてPTDとなりやすい理由の一つは、『多発外傷』にあります。脳外傷、胸腹部臓器損傷、血管損傷、多発骨折、骨盤骨折などの複数の損傷が合併すれば、生命に危険を及ぼす危険性が相乗的に高くなることは容易に想像が付きます。しかしながら重症多発外傷において、単科の診療をシリアルに繋げていっても救命は困難で、あらかじめ入念に構築された診療チームとシステムが必要となるのです。

しかしながらこの目的で外傷センターを構築するのは困難が伴います。なぜなら救命外傷センターは究極のチーム医療であるからです。

救命救急センターばかりでなく、需要の特に多い外傷整形外科、外科、脳神経外科の主要3科に加え、心臓血管外科、胸部外科、放射線科、麻酔科、形成外科、リハビリ科その他多くの科の協力、さらに医師・看護師ばかりでなく多くの他職種が協力してチーム医療を行わなければなりません。

さらに治療の場となるハイブリッド構成の初療室群(ハイブリッド処置室、ハイブリッドCT室、ハイブリッド血管造影室)や高度な全身管理が可能な病床、さらに広範囲から迅速に搬送するためのヘリポートなどの整備も必須です。

いくら社会的な需要、医学的な有用性 / 必要性そして重要性を認識していても、そのような条件が整わない限り成り立たない訳です。

幸い自治医科大学病院にはそのすべてのリソースを持ちます。そしてその必要性を理解し、協力していただける高いモチベーションをお持ちの先生達がたくさんおられます。こう考えますと栃木県で、いや北関東で、当院が救命外傷センターをやらない理由がない。
ではいつやるか?今でしょ。ということで救急外傷センターをよろしくお願いします。**

 
 

*本邦に於いては整形外科中心の“外傷センター”がすでに存在するため、これと区別するために、本院におけるPTDを防ぐ当施設を”救命外傷センター”と名付けることにいたしました。多発外傷の他、労災事故などによる切断、脊髄損傷など専門治療が必要となる外傷、機能傷害をのこす可能性が強い開放骨折なども対象に含まれます。
 
**また当センターで研修を行うことで、若手医師が外傷患者全般に関する診断・治療のminimal requirementを習得すること、多発外傷患者のdecision makingができること、そして自分の専門性をもち特定のテーマを深く掘り下げることも可能となります。

救命外傷センター*は、一言でいえば、“防ぎえた外傷死(preventable trauma death:以下 PTD)”を減少させ、外傷患者の早期社会復帰率を向上させるために、自治医科大学病院に救命外傷センター他多くの科の協力を得て設立される組織です。

“防ぎえた死”、とはいささか穏やかではない言葉ですが、外傷に於いて米国で1960年代にPTDは25−50%にのぼったといわれます。しかしその後、外傷センター・外傷治療システムを整備したことでこのPTDが1−20%に激減したことからその意義は明らかです。

さて外傷においてPTDとなりやすい理由の一つは、『多発外傷』にあります。脳外傷、胸腹部臓器損傷、血管損傷、多発骨折、骨盤骨折などの複数の損傷が合併すれば、生命に危険を及ぼす危険性が相乗的に高くなることは容易に想像が付きます。しかしながら重症多発外傷において、単科の診療をシリアルに繋げていっても救命は困難で、あらかじめ入念に構築された診療チームとシステムが必要となるのです。

しかしながらこの目的で外傷センターを構築するのは困難が伴います。なぜなら救命外傷センターは究極のチーム医療であるからです。

救命救急センターばかりでなく、需要の特に多い外傷整形外科、外科、脳神経外科の主要3科に加え、心臓血管外科、胸部外科、放射線科、麻酔科、形成外科、リハビリ科その他多くの科の協力、さらに医師・看護師ばかりでなく多くの他職種が協力してチーム医療を行わなければなりません。

さらに治療の場となるハイブリッド構成の初療室群(ハイブリッド処置室、ハイブリッドCT室、ハイブリッド血管造影室)や高度な全身管理が可能な病床、さらに広範囲から迅速に搬送するためのヘリポートなどの整備も必須です。

いくら社会的な需要、医学的な有用性 / 必要性そして重要性を認識していても、そのような条件が整わない限り成り立たない訳です。

幸い自治医科大学病院にはそのすべてのリソースを持ちます。そしてその必要性を理解し、協力していただける高いモチベーションをお持ちの先生達がたくさんおられます。こう考えますと栃木県で、いや北関東で、当院が救命外傷センターをやらない理由がない。
ではいつやるか?今でしょ。ということで救急外傷センターをよろしくお願いします。**

 
 

*本邦に於いては整形外科中心の“外傷センター”がすでに存在するため、これと区別するために、本院におけるPTDを防ぐ当施設を”救命外傷センター”と名付けることにいたしました。多発外傷の他、労災事故などによる切断、脊髄損傷など専門治療が必要となる外傷、機能傷害をのこす可能性が強い開放骨折なども対象に含まれます。
 
**また当センターで研修を行うことで、若手医師が外傷患者全般に関する診断・治療のminimal requirementを習得すること、多発外傷患者のdecision makingができること、そして自分の専門性をもち特定のテーマを深く掘り下げることも可能となります。

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