主に経済・行政・芸術など様々な先生方による講義やPBL(Project Based Learning)、SST(Social Skills Training)といったグループワークがあります。講義では経済学や民俗学、芸術などについて学びます。一見、医学には関係ない内容に見えますが、今の社会では、どれだけ高度な専門領域の知識を持っていても、解決困難な問題が存在します。授業を通して物事を多面的に捉え、様々な方向から柔軟に考える思考が育つと思います。またグループワークでは明確な答えがない問題や課題に対して、医学生同士で話し合いながら解決策を模索します。この活動には、単なる知識の勉強ではなく、現実の問題に対して、個人、そして集団で考えていくことが、医師になる上で必要であるというメッセージが込められています。
私はこの授業を受けるまで、医師に必要なものは医学的知識と倫理観くらいだと思っていました。しかし、現在の複雑な社会では医師の職業だけでなく、様々な分野について理解していることが大切だということに気づかされました。またグループワークでは、実際に自分と異なる意見を聞くことによって自分の視野が広がったり、その物事に対する考え方が変わることもありました。そして、卒業した先輩方や先生方の話を伺い、医師としてのイメージが湧き、医師になることを目指すだけではなく、どのような医師になりたいのかを改めて考える機会になりました。
履修する際に必要というわけではないのですが、池上彰さん著書の「池上彰の教養のススメ」という本がおすすめです。この本では教養が単なる「知識」ではないことや明確な答えがない問題や課題を解決していくことの重要性を学ぶことができます。あらゆる方向から物事を考え続けていける、独立した個人になることへの一助になります。私は医療関係に進むか否かに関わらず、大切なことをこの本から学ぶことが出来ました。
受験勉強は簡単な道ではありません。時には辛いことや大変なこともあると思います。しかし、今自分がしていることは必ず将来の自分に繋がります。
是非めげずに最後まで駆け抜けてください。自治医科大学でお待ちしています。