2016年4月より内科学講座神経内科学部門、教授に就任いたしました藤本茂です。これからチーム一丸となって、また地域の皆様と力を合わせて神経内科疾患のよりよい診療・教育・研究体制を発展させていきたいと思っております。 我が国は高齢化社会を迎え、脳卒中や認知症など神経内科疾患の患者数が年々増加しています。脳卒中は癌、心臓病、肺炎に次ぐ日本人の死亡原因の第4位で、寝たきりの原因では第1位を占めています。すなわち、神経内科疾患への最新最適な専門的診療のニーズは今後ますます高まっていくと考えます。
脳卒中・神経疾患医療は大きく変化し、診断技術、治療技術は飛躍的に進歩しています。例えば、発症から間もない超急性期の脳梗塞においては、血栓溶解療法やカテーテルを用いた血管内治療による劇的な改善が期待できるようになりました。当院では、積極的に脳卒中・神経疾患の患者さんを受け入れ、神経内科専門医・脳卒中専門医が迅速な診断のもと、最適な急性期治療・専門的治療を行っています。症例によっては外科的治療が必要となることもあり、脳神経外科との連携も重視しています。またパーキンソン病やアルツハイマー病をはじめとした神経変性疾患に対する疾患修飾薬の使用が開始されており、多発性硬化症や視神経脊髄炎などの神経免疫疾患でも再発予防のための新しい治療薬が使用可能となり、多くの神経疾患の患者さんの予後が変わりつつあります。さらに、脳卒中や認知症予防の啓発を広めることで少しでも寝たきりや要介護の患者さんを減らすことも極めて重要な任務です。そのためには、地域社会との緊密な連携が求められます。
神経内科を運営する上の方針として
の6つを柱にしたいと考えます。 栃木県の神経内科疾患の診療の発展に全力で取り組んでいく所存です。 今後とも御指導御鞭撻いただきますようよろしくお願い申し上げます。
内科学講座神経内科学部門 教授 藤本茂