自治医科大学 循環器内科学部門

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教授挨拶


教授挨拶

「自治医科大学循環器内科2020 NOW」

苅尾七臣

自治医科大学内科学講座
循環器内科学部門
教授 苅尾七臣


自治医科大学循環器内科のHPにご訪問下さり、ありがとうございます。
皆様におかれましては、ご健勝のことと存じます。2019年末より発生した新型コロナウィルスパンデミックによって、わずか数ケ月で世界は一変し 、新たな生活様式とともに2020年度がスタートしました。
これまで当教室では「目の前の一症例に全力を尽くす」を合言葉に、全員が臨床の研鑽を積み重ねてきました。 一人の人に対する診療から沸き起こる情熱こそが、未解決課題に対する高度先進医療や基礎臨床研究を推進させる執着心を生み出すと考え、当教室の標語に「創新」という言葉を掲げています。「創新」とは、目の前の課題に取り組むキーワードであり、創意工夫をこらし、自分にしかできないことを追求する姿勢です。スタッフ一人一人が情熱を持ち、それぞれ得意とする「臨床」「教育」「研究」の分野において創新を積み重ね、その楽しさと重要性を後進に伝えることをモットーとしています。
当院循環器センターでは心臓血管外科や先天性心疾患センターとの臨床・教育連携体制を整え、循環器専門医をはじめ各サブスペシャルティの専門医が短期間で取得できる臨床プログラムを整備しています。内科部門では虚血性心疾患、心不全、不整脈、大動脈解離、肺血栓塞栓症、感染性心内膜炎など、多岐にわたる疾患を有する患者の診療を行います。一例一例を大切にした高度先進医療を行いながら循環器内科医としての総合的な臨床能力を短期間で身に着け、循環器学会認定専門医や、さらに心血管インターベンション治療学会や不整脈学会など専門分野の専門医取得が可能です。
学術活動では、一例の症例報告を大切にしており、学術研究論文は医学専門誌に毎年80本程度をコンスタントに発表しています。また、国内外の学術集会においても積極的に若手医師が演題発表できるような研究指導体制を取り、日々臨床に取り組みながら研究活動も自ずとできる環境を整え、医学博士の取得のバックアップをしております。また、2018年度に立ち上げた予見バイオマーカー研究拠点(Anticipation biomarker Center:ABC)では、いよいよエントリーも進み、冠動脈疾患、不整脈、心不全、動脈硬化・高血圧の各循環器領域の臨床研究が加速しています。
2020年コロナ禍の新たな時代においても、スタッフ一同「情熱の連鎖」をもって本来の原点からぶれずに、医療・教育・学術活動に邁進してまいります。新たに研修先を探されている学生ならびに研修医、栃木県で働こうと考えられている医師、さらに産学共同研究を進めようと考えておられる企業研究者の皆さん、新しい力を歓迎いたします。

2020年7月
自治医科大学循環器内科学講座
教授  苅尾 七臣


自治医大環器内科学講座の活動概要

(図1)

自治医科大学循環器内科では、上記をコンセプトに診療、教育、研究活動を行っています(図1)。

【臨床】
当科は心臓血管外科とともにCCU 10床を含む78床を循環器センターとして使用し、栃木県全域、茨城県西部、さらに埼玉県東部より、数多くの患者を受け入れています。近年の入院患者数は、年間1,700件以上に上ります。急性心筋梗塞患者数(年間147名)やPCI件数(年間488件)は、日本のトップクラスです。さらに、不整脈に対するカテーテルアブレーション(年間250件)や埋め込み型除細動器(ICD)(年間45件)、重症心不全に対する両室ペースメーカを用いた心臓同期化療法(CRT / CRT-D)(年間20件)、心房細動に対する手技時間を短縮できる冷凍焼灼術(クライオアブレーション) (年間72件)や、経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)(年間30件)などの、各領域の高度先進医療技術を駆使した治療も日常診療で数多く行っています。
また、大動脈解離の手術や緊急冠動脈バイパス術、弁膜症手術などが必要となる症例も多く、循環器センターの中で心臓血管外科と連携を密にし、重症循環器疾患に対する総合的な一連の治療を行うとともに、末梢動脈疾患や腎血管性高血圧に対するカテーテル治療も積極的に行っています。
さらに、先天性心疾患治療センターと重症心不全治療センターを併設し、心房中隔欠損症や大動脈管開存症に対するデバイス治療、職種の垣根を越えた重症心不全管理や埋め込み型左室補助循環治療(VAD)も行っています。薬物治療抵抗性高血圧患者に対する先進医療である腎デナベーションの臨床治験実施施設でもあります。

【教育】 
後進の育成に関しては全スタッフが一丸となり、特に力を入れています。当院では、新しい専門医制度に対応したカリキュラムを組んでおり、初期研修期間中に多様な疾患を経験できます。医師の基本となる診療の考え方と技術が無理なく身につき、その後は循環器内科後期研修プログラムへと続きます。
さらに、当科では大学病院ならではの教育的臨床研修指導体制がきちんと確立しています。これらのプログラムでは、効率的に循環器の専門知識と必要な技術が習得できる具体的症例数と達成目標を明確に決め、それを基盤に、専門医が最短で取得できる臨床研修プログラムを実施しています。
当院の大きな特徴として、大学病院であると同時に、地域救急医療にも積極的に携わっていることから、多岐にわたる循環器疾患を有する患者さんが入院してきます。ベッドサイドでは、これら多くの患者さんを専門医資格を有する経験豊富な上級医とともに受けもつことにより、循環器疾患の診療体系が習得できます。さらに、地域医療を担う「総合医の育成」という自治医科大学の建学精神を認識しているスタッフのもとで、患者管理の総合医的視点も身につきます。また、当科では女性医師への支援体制が確立しており、ママさん医師として家庭と仕事を両立し活躍している女性医師も在籍しています。

【研究】
虚血性心疾患、不整脈、心不全、血栓塞栓症など各領域にわたる多施設共同臨床研究をはじめ、特に動脈硬化の成因や心不全の病態などに関わる炎症・血栓の基礎臨床研究、血圧・血糖の中枢神経調節に関する基礎研究、ウェアラブル生体情報モニタリングの開発と臨床応用、グローバルビックデータベースを用いた循環器疾患の人種特性の検討など、多岐にわたる国内外の基礎臨床研究を展開しています。
2015年には地域医療循環器先端研究開発センター(Jichi Medical University COE Cardiovascular Research and Development Center: JCARD)を開設しました(図2)。センター内に腎デナベーション研究拠点(READ)を設置し、腎デナベーションの臨床試験の実施と、その評価法の研究機器開発を行っています。さらに、2018年度には予見バイオマーカ研究拠点(ABC)を設置し、さらに研究を加速させています。

(図2)
地域医療循環器先端研究開発センター

臨床研修の間には、このような大学病院ならではの学術研究活動にも触れることができ、さらに一歩踏み込んだ医学研究をしてみたいという方は、将来、大学院博士課程へ進むことも可能です。 また、アジアの各国、アメリカやヨーロッパの大学とも国際共同研究を展開し、海外留学生の輩出・受け入れを積極的に行っております。当科のスタッフは、臨床と両立して研究活動にも励んでおり、アメリカ心臓病学会(AHA)やヨーロッパ心臓病学会(ESC)、ヨーロッパ高血圧学会(ESH)、国際高血圧学会(ISH)などの国際学会や、日本循環器学会、日本心臓病学会などへ、この10年間、毎年約80演題以上を発表しています。毎年の当科の研究業績は、英語論文で50編以上を発表しています(図3)。

(図3)
英語論文発表の推移(累積)

教授プロフィール

1987年
自治医科大学卒業
1989年
兵庫県北淡町国民健康保険北淡診療所内科
1996年
自治医科大学循環器内科学講座助手
1998年
コーネル大学医学部循環器センター・ロックフェラー大学Guest investigator
2000年
自治医科大学循環器内科学講座講師  
2004年
コロンビア大学医学部客員教授
2005年
自治医科大学COE (Center Of Excellence)教授
2009年
自治医科大学内科学講座循環器内科部門教授 (現職) 
2015年
自治医科大学地域医療循環器先端研究開発センター (JCARD) 教授 (現職)


客員教授・学外教授

2014年
英国・ロンドン大学医学部Cardiovascular Science研究所客員教授 (現職)
2016年
中国・上海交通大学医学院・客員教授 (現職)
韓国・延世大学校(Yonsei University)・学外教授 (現職)
2017年
中国・国家心血管病センター/中国医学科学院阜外医院・Distinguished professor (現職)


所属学会:

日本内科学会(専門医、評議員), 日本循環器学会(専門医、評議員), 日本高血圧学会(理事、日本・中国・韓国部会長、専門医、指導医), 日本心臓病学会(代議員、FJCC), ヨーロッパ高血圧学会・心血管変動ワーキンググループ委員,アメリカ高血圧学会・公共政策委員会委員,Fellow of American College of Cardiology (FACC), Fellow of American College of Physician (FACP), Fellow of the American Heart Association and the Council for High Blood Pressure Research (FAHA), Fellow of European Society of Cardiology (FESC)


ガイドライン作成委員

日本高血圧学会・高血圧治療ガイドライン2014 (JSH2014), 中国高血圧学会・ABPMガイドライン2014, ヨーロッパ高血圧学会・ABPMガイドライン2013, ヨーロッパ高血圧学会・家庭血圧ガイドライン2008, 日本循環器学会・睡眠時呼吸障害治療ガイドライ2010, 日本循環器学会・ABPMガイドライン2009


国際医学雑誌編集委員

Editor-in-Chief: Current Hypertension Reviews.
Associate Editor: Circulation Journal, Journal of Cardiology.
Editorial board member: Hypertension, Journal of Hypertension, American Journal of Hypertension, Journal of American Society of Hypertension, Journal of Clinical Hypertension, Blood Pressure Monitoring, Journal of Human Hypertension, International Journal of Hypertension, UK Current Cardiology Reviews, Evidence-based Cardiovascular Medicine, etc.
(他25以上)


JCARD

地域医療循環器先端研究開発センター(JCARD)は、2つの共同研究講座(SurgeとCoCreate)、国際血圧解析研究開発拠点(GAP)および腎デナベーション研究拠点(READ)、アジア家庭血圧モニタリング研究拠点(Home Asia)、予見バイオマーカー研究開発拠点(ABC)から構成されています。

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自治医科大学 地域医療循環器先端研究開発センター