「思春期における単純レントゲンを使った股関節臼蓋の正常値の検討」をメインテーマに掲げて取り組んでおります。
2020年に大学院入学し、現在大学院2年目の西村貴裕です。2012年に佐賀大学卒業後、自治医科大学で初期研修〜後期研修を行い、2015年に入局いたしました。
入局以後、様々な病院で整形外科の診療や手術を行って参りました。これまで、様々な経験を積ませて頂いてきておりますが、実臨床は多くの疑問で溢れています。
大学院に進んだ理由は、そういった日々の疑問を研究対象として捉え、研究のデザインをし、方法を考え、データの収集と解析を行い、最終的には論文として発表する、という医師という仕事の学術的な一面において成長したいと考えたからです。その一連の過程で分からないことも多いですが、一つ一つ勉強を進めています。
研究テーマについては、小児整形外科の上司の先生にご指導頂きながら、「思春期における単純レントゲンを使った股関節臼蓋の正常値の検討」をメインテーマに掲げて取り組んでおります。股関節の正常値の過去の報告は、ほとんどが成人〜高齢者が対象であり、加齢性変化のない若い世代を対象としたまとまった報告はありません。10歳代の股関節疾患の治療を考えるにあたり重要な指標となるであろう、非常に有意義な研究と考えています。
一方、私は社会人大学院生なので、通常通り病院での勤務があります。日々変化のある医療の世界で、臨床における手術などのスキル向上や知見を深めることも必要ですし、子育てを含めた家庭との両立も重要です。
1週間のスケジュールの概要としては、私の場合、月曜〜木曜日は現在勤務している市中病院の勤務があり、外来や手術、救急患者の対応などを行っています。コロナウイルス感染患者の受け入れ病院でもあることから、周囲の病院で対応困難な症例の受け入れが増えており、それなりに忙しなく働いております。金曜日は他の病院に外勤に行っており、午前中は外来診療を行い、午後に手術があればそのお手伝いなどをしています。外勤の日の午後や、日直や当直のない土日の空いた時間を研究の時間として充てることが多いです。研究の進行が芳しくないときには早朝や夜の時間をうまく使っています。
そして、その他の時間はできる限り家族と過ごすようにしています。小さい子供が2人おりますので、子育てに奮闘しつつ日々の成長を楽しんでおります。本来であれば、もっと色々なところに子供を連れて行ってあげたいのですが、現在の状況が早く収束することを願いながらぐっと我慢して、その代わりに遊びや運動、物つくりなどを一緒にしています。最近は、子供と一緒に野菜や果物を育てています。
また、社会人大学院生も学生ですので、講義やレポートがあります。今はほとんどの講義がオンラインで受講できる一方、これがなかなか曲者で受講期限の見落としや、レポート提出を忘れそうになります。幸い、現在大学院に在籍しているのは近い年代の先生ばかりですので、お互いに相談や情報共有をしながら乗り切っています。非常に心強いです。
以上のように、生活の中で研究に当てる時間をうまく捻出しなければならない難しさはありますが、どの時間も大切にしようと考えて過ごしております。幸いなことに、研究に関しては色々なことを相談できる先生方が揃っており、安心できる環境で研究を進めることができています。まずは1つ、メインテーマの研究を論文という形にできるよう引き続き頑張っていこうと思います。