診療班の紹介

脊椎班

脊椎班は木村教授、井上准教授、白石助教、澤村医師、平田医師の計5名で診療を行っています。

毎週脊椎カンファレンスを行い、個々の患者様に最も良いと思われる最適な治療方法を検討しております。病棟カンファレンスも定期的に行い、治療中の患者様に生じている問題点を早期に対応するように心がけております。

脊椎班で診療する疾患ですが、大学病院という性質上、脊柱変形(成人、小児)、後縦靱帯骨化症、脊椎外傷など、他院では対応困難な疾患の手術を多数行なっています。その他、転移性脊椎腫瘍、感染性脊椎疾患といった、他科との連携が必要な疾患にも対応しております。

脊柱変形手術では、小切開による前方固定術を併用した、強固かつ最大限の矯正を目指した矯正固定術を行なっております。脊椎にスクリューを挿入し、脊椎の矯正・固定を行う際には、スクリュー挿入の精度を上げるためにナビゲーションシステムを使用しております。また過度な矯正による神経麻痺を防ぐため、侵襲の大きな手術では脊髄モニタリングシステムをできるだけ使用し、神経麻痺が起きないような配慮を行っております。

頚椎疾患では積極的に前方からの手術を行い、術後の頚部痛軽減を目指しております。変性疾患では患者様の身体的負担を軽減するため、積極的に内視鏡による手術も行なっております。

脊柱変形

未曾有の高齢化に伴い、中高年以降での脊柱変形患者が増加しています。手術技術の進歩により、以前は行われる機会の少なかった成人脊柱変形に対しても手術が行われることが多くなりました。また、子供の頃に発症する脊柱変形(いわゆる側弯症)に対しては、装具療法、手術療法などが行われます。当院では小児班と連携し小児側弯の治療も行なっております。

症例1: 60代女性 成人脊柱変形

腰痛、左下肢痛に対し保存療法を行ったが改善得られず。前後合併の2期的矯正固定術を行い症状は改善、独歩で退院した。

症例2: 50代女性 特発性側弯症の遺残変形

小学生で側弯を指摘された。年々腰痛、下肢痛が増悪、姿勢保持困難で手術希望あり。前後合併の2期的矯正固定術を行い、症状は改善した。

症例3: 50代女性 パーキンソン症候群

体幹のバランスの悪さ、腰痛のため手術希望あり。前後合併の2期的矯正固定術を行い症状は改善した。

頚椎変性疾患、後縦靭帯骨化症

前教授の星野雄一教授らにより開発された椎弓形成術は、頚椎手術のゴールドスタンダードとして世界中に普及しております。近年はインプラントの発達がめざましく、頚椎疾患における後方固定術、前方固定術が広く行われるようになりました。当院では個々の症例に応じて最適な治療方法を提供しております。

症例: 50代男性 頚椎後縦靱帯骨化症

保存療法で改善しない頸部痛、上肢のしびれに対し手術希望あり。アライメント改善のために多椎間の前方固定術を行い症状は改善した。

内視鏡手術

腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、頚椎症性神経根症に対し、脊椎内視鏡手術を行っております。内視鏡手術としては、状況によってMED(Microendoscopic discectomy)法とFED(Full endoscopic discectomy)法を行っております。皮膚切開が小さくなり、筋肉損傷が少なくなるため、術後回復が早くなることがメリットになります。

脊椎外傷

当院では救命外傷センターを併設しているため、多発外傷患者が多く搬送されてきます。多部位の損傷状況に応じて、脊椎外傷の患者には積極的に脊椎固定術を行い、早期離床ができるように心がけております。

症例:40代男性 第12胸椎破裂骨折、下肢不全麻痺、仙骨骨折

転落外傷により受傷。受傷当日に後方固定術施行。術直後から離床可能となり、寝たきりによる合併症の発生が予防できた。脊柱再建のため、後日前方椎体置換術を行った。

転移性脊椎腫瘍

悪性腫瘍の骨転移では椎体の圧潰、腫瘍の浸潤などにより神経症状が出現することがあります。神経症状が悪化する前に固定術を行い、その後の化学療法、放射線療法を行なっています。原発巣の診療科の先生方と共に治療計画を検討しています。

化膿性脊椎炎

化膿性脊椎炎には原則保存療法を行なっておりますが、膿瘍による神経症状の出現、骨破壊による脊椎の不安定化などが起きた場合、適切なタイミングで手術を行います。また感染の治療が難渋している場合、固定術により局所を安定化させて感染の収束を目指します。

研修案内

研修医・学生の皆様へ
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研究の紹介

当科で行なっている研究・業績の紹介です。

患者さまへ

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