医局ブログ

教授ぶろぐ(超不定期掲載)

私的免疫学ことはじめ (44) Th17分化における転写因子(8)  c-Mafの多彩な役割

c-Maf→IL-23受容体 のメカニズムを解析して、論文をJournal of Biological Chemistry誌に「ねじこみ」ました(Sato K et al., 2011)。これは古い歴史を持つ由緒正しい雑 …

私的免疫学ことはじめ (43) Th17分化における転写因子(7) 実験手法の進歩

前述のNat Immunol.の論文は、Tfh細胞の解析に重きが置かれていました。Th17細胞は「おまけ」のような扱いでしたが、我々の報告したかった骨子が「おまけ」で発表されてしまったのでショックは大きかったのです。当時 …

私的免疫学ことはじめ (42) Th17分化における転写因子(6) クリスマスプレゼント

因子分析で自分にとっては少し分かりやすい解釈ができるようになったのですが、もちろんこれは万能の方法ではありません。特に気になっているのは、今回のデータは、例えばTh0→Th1day1→Th1day3のように動いていくと思 …

私的免疫学ことはじめ (41) Th17分化における転写因子(5) 因子分析

因子分析という手法を使ってみた経緯ははっきり覚えていません。多変量解析の方法を調べていて見つけたのだと思います。因子分析と似た手法に主成分分析という方法があります。計算結果は似たものになるのですが、元になる考え方は異なり …

私的免疫学ことはじめ (40) Th17分化における転写因子(4) 何故c-Mafが?

さて、話が大分脱線したので戻りますと、Th1, Th2, Th17細胞のトランスクリプトーム解析の話でした。結果を見ると、それぞれのサブセットで、代表的なサイトカインであるIFN-γ、IL-4, IL-17が増えています …

私的免疫学ことはじめ (39) Th17分化における転写因子(3) 突然本の紹介(2)

「フェルマーの最終定理」を読んだ感想の1つは、この超難問の解決に日本人がかなり貢献している、ということです。「岩澤理論」の岩澤健吉氏もそうですが、そもそもフェルマーの最終定理を証明するきっかけになったのは、この定理の証明 …

私的免疫学ことはじめ (38) Th17分化における転写因子(2) 突然本の紹介

失敗した方法を組み合わせて成功する、というのは結構嬉しいものです。私も「これはうまいことに気づいた」と1人満足していたのですが、次にトランスクリプトーム解析をする機会が来たときには、「セパゾール(などの、フェノールとチオ …

私的免疫学ことはじめ (37) Th17分化における転写因子(1)

前にも書いたように、破骨細胞の分化の過程で転写因子Nfatc1が著増するため(Dev Cell 2002, Vol. 3, p889-)、Nfatc1は破骨細胞分化の「マスターレギュレーター」と考えられるようになりました …

私的免疫学ことはじめ (36) そして大学病院へ(2)

  久しぶりに病棟に戻って、指導医をすることになりました。いわゆるオーベンです。オーベンというのはドイツ語で「上」を表す言葉で、こんな所に日本がドイツに医学を学んだ名残が残っているのかもしれません。それに対して研修医はネ …

私的免疫学ことはじめ (35) そして大学病院へ(1)

さて、基礎の研究室に残るべきか、臨床の現場に戻るべきかというのは結構大きな決断でした。それまで私は、比較的直感で、即断即決気味に進路を決めてきたのですが、年齢も上がってきて、気軽にコロコロ変えることは難しくなってきました …

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