小児脳神経外科

診療内容

小児脳神経外科

小児脳神経外科は、こどもの頭と脊髄のさまざまな病気に対して、手術を中心とした治療をする専門科です。
小児脳腫瘍、水頭症や二分脊椎をはじめとする先天性疾患、もやもや病などの脳血管障害、頭部外傷、てんかんなどの小児脳神経外科疾患全てをまんべんなく扱っております。

脳腫瘍

手術、放射線治療、化学療法のほかにも心理的サポート、緩和ケアなどを含めたチーム診療体制を確立し、多くの脳腫瘍患者さんの治療を行っております。日本小児がん研究グループ(JCCG)の施設として、全国的な臨床試験などにも参加しており、また積極的にがんゲノム検査を導入し、それに基づく治療も行っております。対象は神経膠腫(グリオーマ)、胎児性腫瘍(髄芽腫、ATRT)、頭蓋咽頭腫、胚細胞腫瘍などすべての小児脳腫瘍です。他施設治療後の再発症例の治療も受け入れております。

先天性疾患:二分脊椎・水頭症など

脊髄髄膜瘤に関しては、NICUや産科と協力し、出生後早期の修復術を行っております。形成外科と共同で修復法を開発し、良好な術後成績をおさめております。潜在性二分脊椎、脊髄再係留などに関しては、小児科、小児泌尿器科、小児整形外科、小児外科と二分脊椎カンファレンスで手術適応を検討し、積極的な手術治療を行っております。長期フォローアップについても、患者さんの利便性も考えた二分脊椎外来を多科共同で行ない、追加治療が必要な場合に遅滞なく行える体制を整えております。水頭症や頭蓋内嚢胞性疾患に関しては、シャント手術の他に軟性鏡を中心とした神経内視鏡手術を導入し、様々な病態に対応が可能です。

脳血管疾患

もやもや病に関しては、詳細な術前診断・治療計画のもと、直接血行再建術と様々な間接的血行再建術を適切に選択しております。脳動静脈奇形などの脳血管奇形に対しては、脳血管内治療部による血管内治療、放射線治療部による定位放射線治療および当科での外科手術を、症例に応じて選択し組み合わせて、合併症なく治療効果が上がるように努めています。

てんかん手術等の機能外科

てんかん専門医の数多い成人脳神経外科と共同で、ビデオ脳波モニタリング、頭蓋内電極モニタリングを行い、小児科などとのてんかん合同カンファレンスで適切に手術適応を決定しています。それに基づいて、焦点切除術、脳葉離断術もしくは緩和的な脳梁離断術、迷走神経刺激装置埋込術などの様々な治療を行っております。脳性麻痺などの痙直に対しては、持続バクロフェン髄注療法も行っております。

頭のかたち外来・頭蓋縫合早期癒合症

頭蓋骨縫合早期癒合症に対しては、形成外科との共同で手術治療を行っています。特にMCDO手術は、様々な頭蓋縫合早期融合症に対応できる当大学で開発されたユニークな治療法であり、国内で最もこの手術経験が多く長期治療成績も良好です。病的な頭蓋縫合早期融合症とは別の「向き癖」に伴う乳児の位置的頭蓋変形(頭のかたちのゆがみ)の患者さんに対しては、「頭のかたち外来」を2021年に開設し、年間100件以上のヘルメット矯正治療を行っています。なお、この治療は自費診療となります。

特色

小児脳神経外科
  1. 「頭のかたち外来」でのヘルメット矯正治療
  2. 「二分脊椎外来」での多科共同外来診療とフォローアップ
  3. チームとして取り組む小児脳腫瘍治療
  4. てんかん専門機関として取り組む小児てんかん手術
  5. 成人期まで切れ目のない治療

スタッフ紹介

教授
五味 玲
教授
五味 玲

外来診療日

午前 五味
午後 【二分脊椎外来】
(1週)
【頭のかたち外来】
小熊
五味

 

▶︎ 二分脊椎外来のご案内

※総合外来は、日によって変更あり。専門外来は、再診予約のみです。

実績

各種お問い合わせ・ご相談

電話番号 外来 0285-44-2111(代表)
医局 0285-58-7373
FAX
0285-44-5147
E-mail
s-neuro@jichi.ac.jp