教授ぶろぐ(超不定期掲載)
私的免疫学ことはじめ (74) 研究に関する雑感(3)
2023年12月26日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
サブスペシャリティ領域の専門医を取るのを急ぐ必要がない、というのは私の立場上は不穏当な発言かもしれません。しかし私自身、認定医には割とすぐになっていますが(卒後3年弱くらい)、総合内科専門医を取ったのは卒後10年目で、リ …
私的免疫学ことはじめ (73) 研究に関する雑感(2)
2023年11月13日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
もう一つの問題は研究費の問題です。製薬会社が奨学寄附金制度の廃止を発表するケースが急増しているように思います。この制度に関してこれまで色々な問題があったという経緯があることは理解できますが、適切なルールを作って運用すれば …
私的免疫学ことはじめ (72) 研究に関する雑感(1)
2023年11月11日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
最近研究会などで色々なリウマチ・膠原病関連の教授の先生と話をする機会がありますが、研究に力を割くのが難しい、という話題になることが多々あります。一つには環境の大きな変化があると思います。どこの大学医学部でも病院での収益を …
私的免疫学ことはじめ (71) 皮膚筋炎(5)
2023年10月3日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
もう1つ重要な点として、MDA5自体がI型IFN刺激によって誘導される分子であることが挙げられます。I型IFNによってMDA5が細胞内で増え、そのMDA5にRNAが結合するとI型IFNの産生が促進される、というのは典型的 …
私的免疫学ことはじめ (70) 皮膚筋炎(4)
2023年8月18日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
さて、このIP-10が抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の病勢を示すマーカーとなりえるのか?そこは今後の課題です。私たちが今参考にしている検査値は血清フェリチンです。これは当院ではその日の内に結果が出るため、とても有用です。ただ …
私的免疫学ことはじめ (69) 皮膚筋炎(3)
2023年7月18日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
それにしても、ただ同じグループに属しているだけだった私にもトラウマを残したIRF-2ノックアウトマウスの解析が、その研究を中心に行っていたH田さんにどれほどのストレスをもたらしたかは想像を絶します。結局このプロジェクトは …
私的免疫学ことはじめ (68) 皮膚筋炎(2)
2023年6月30日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
まずはこの疾患に特異的な自己抗体の発見です。慶応大学のグループから、140 kdの大きさの抗原と反応する自己抗体が患者の血清中に存在する、ということが報告されました(Sato S et al., Arthritis Rh …
私的免疫学ことはじめ (67) 皮膚筋炎(1)
2023年6月30日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
さて、臨床の話題に戻ります。皮膚筋炎の話です。皮膚筋炎は多発性筋炎とセットで講義でも扱われることが多い疾患ですが、私が学生や研修医だった頃とは疾患概念が大きく変わっています。以前は「皮膚症状のある多発性筋炎を皮膚筋炎と呼 …
私的免疫学ことはじめ (66) AIについて思うこと(2)
2023年6月23日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
藤井7冠がソフトと同じ手を指すのは、もちろんソフトで研究しており、その手を覚えているということがあると思います。プロ棋士の記憶力は桁外れのようですから。ただし、手の流れの全てを記憶しているということは流石にないでしょう。 …
私的免疫学ことはじめ (65) AIについて思うこと(1)
2023年6月13日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
最近世間でChatGPTが話題になり始めましたが2022年の11月に発表され、その後5日間で利用者が100万人を超えていたようです。私は気づくのが相当遅かったと言えるでしょう。話を聞いて4月に初めて使ってみましたが、日本 …