医局ブログ

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私的免疫学ことはじめ (87) Nfatc1 short formプロジェクト(13) Nfatc1誘導のブレーキ役候補

医局には雑誌の見本誌が届くことがあります。ある日何気なく「炎症と免疫」誌(2020年9月号)をめくっていたところ、「ダウン症因子DSCR-1と病的血管新生」というタイトルの総説が目に止まりました。破骨細胞とは一見なんの関 …

私的免疫学ことはじめ (86) Nfatc1 short formプロジェクト(12) 造血幹細胞は確かに増えた!

実際に、血清もアルブミンも添加せずこのポリビニルアルコール培地にトロンボボイエチンと、ステムセルファクターの2種類のサイトカインを加えてマウスの肝臓+aorta-gonad-mesonephros(AGM)領域をすりつぶ …

私的免疫学ことはじめ (85) Nfatc1 short formプロジェクト(11) 糊を使う実験

「のり(糊)」に関するネットニュースに注目することになったのは次のような経過です。今回のKOマウスの胎仔から単球系の前駆細胞を十分量得ることはできませんでした。しかし、その前の段階の細胞、「造血幹細胞」はあるはずです。こ …

私的免疫学ことはじめ (84) Nfatc1 short formプロジェクト(10) 致死マウスの解析戦略とは

Rag2KOマウスにはT細胞やB細胞がありませんので、造血幹細胞移植の後で分化してくるT, B細胞はドナー由来の細胞ということになります。ですからその細胞の機能解析をすればよいわけです。しかし、単球/マクロファージが全く …

私的免疫学ことはじめ (83) Nfatc1 short formプロジェクト(9) (再度)解析開始

新しい遺伝子改変マウス(ヘテロ)と野生型(wild type, WT)のマウスを交配すると、仔は1:1の割合でWTとヘテロマウスになりました。これは想定通りです。そしてヘテロマウス同士を交配するとその仔は・・・1:2でW …

私的免疫学ことはじめ (82) Nfatc1 short formプロジェクト(8) 質量分析の結果

理研に送付したのは野生型の破骨細胞をサンプルとして抗Nfatc1抗体で免疫沈降し、電気泳動してクマシーブリリアントブルー染色を行った上でshort formに該当するバンドを切り出したものです。これを理研の方で、トリプシ …

私的免疫学ことはじめ (81) Nfatc1 short formプロジェクト(7) コザック配列

コザック配列(Kozak sequence)というのはウィキペディアによると「真核生物のmRNAに出現する共通配列であり、主に翻訳の開始に関与している」配列です。mRNAにリボソームが取り付いてアミノ酸をつなぐ作業を始め …

私的免疫学ことはじめ (80) Nfatc1 short formプロジェクト(6) 謎は解けた

徒然草第52段は仁和寺のお坊さんが初めて石清水八幡宮に参拝しようとして、一人で行ったために山の上の本殿まで行くことなく、その前で参拝終了、と勘違いして引き返してしまったという逸話ですが、仁和寺というのは当時も勢力のある寺 …

私的免疫学ことはじめ (79) Nfatc1 short formプロジェクト(5) 最大の衝撃

ノックアウトマウスを作っても、表現型が出ないことはある。そう自分に言い聞かせながら次のステップ、タンパク(この場合はNfatc1 short form)が作られていないことをWestern blottingで確認してみま …

私的免疫学ことはじめ (78) Nfatc1 short formプロジェクト(4) 意外なことに

そうこうしている内に、ヘテロマウス同士の交配で仔が産まれました。遺伝子型をタイピングすると、野生型:ヘテロマウス:ホモのKOマウスの比率が1:2:1です。メンデルの法則に従っているようでした。Nfatc1の遺伝子全体を壊 …

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