教授ぶろぐ(超不定期掲載)
私的免疫学ことはじめ (54) ヒトサイトカイン(5) 謎は深まるばかり
2022年9月9日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
NK細胞にIL-18をふりかけると確かにIFN-γがmRNAレベルで10倍以上に増えるのですが、そこにIL-6を加えても上乗せ効果が全く見られないのです。ところが、IL-18にIL-10を加えると明らかに相乗効果が認めら …
私的免疫学ことはじめ (53) ヒトサイトカイン(4) 「抗炎症性サイトカイン」IL-10とNK細胞
2022年8月15日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
IL-10は抗炎症性サイトカインとしてTGF-βと並んで有名なサイトカインですが、AOSD患者の血清でも測定できることがしばしばあります。炎症を抑えるために産生されているのだろうという素直な(ナイーブな)仮説を立てました …
私的免疫学ことはじめ (52) ヒトサイトカイン(3) 一体何が起きているのか。
2022年5月23日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
私がとても不思議に感じたのは、この成人発症Still病(AOSD)患者が「血清IL-18が高値なのに、IL-6経路を抑制しておけば何の自覚症状も示さなかった」という事実です。IL-6の下流にIL-18があるということはな …
私的免疫学ことはじめ (51) ヒトサイトカイン(2) 成人Still病の特効薬!
2021年12月7日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
成人Still病は関節炎を起こす疾患なので、関節リウマチに使う薬を使ってみるのはまあ自然なことです。最初は経口薬であるメトトレキサートなどがよく使われましたが、その後サイトカイン阻害薬としての生物学的製剤が実用化されたた …
私的免疫学ことはじめ (50) ヒトサイトカイン(1) 測定できるサイトカインとは
2021年9月10日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
前回、ヒトの血清を用いて測定できるサイトカインが少ないということを述べましたが、どのようなサイトカインなら測定できるでしょうか。もちろんこれは測定系の感度にも依ります。IL-6は結構測定できることがあります。IL-6は炎 …
私的免疫学ことはじめ (49) ヒトのTh1/2/17応答(5) 意外すぎる結果の解釈-2
2021年8月11日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
インフリキシマブ投与後の末梢血単核球からのサイトカイン産生の方が投与前よりも高くなるというのは意外でしたが、むしろ「インフリキシマブ投与前の産生が健常人より低く、それが治療後に健常人に近づいた」ように見えました。つまり、 …
私的免疫学ことはじめ (48) ヒトのTh1/2/17応答(4) 意外すぎる結果の解釈-1
2021年7月14日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
試験管内で刺激した単核球の培養上清中のサイトカインが、どうして予想と全く異なる結果を示したのか。つらつら考えてみたのですが、1つの理由は、刺激の種類がPhorbol myristate acetate (PMA) + i …
私的免疫学ことはじめ (47) ヒトのTh1/2/17応答(3) 意外すぎる結果
2021年6月25日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
試験管内で刺激した単核球の培養上清からは、IFN-γ(Th1応答)、IL-4(Th2応答)、IL-17(Th17応答)いずれも十分に測定できます。(まあ以前も書きましたが、たとえばIFN-γはCD8陽性T細胞の方がより多 …
私的免疫学ことはじめ (46) ヒトのTh1/2/17応答(2) フローサイトメトリー撤退
2021年6月4日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
細胞内染色+フローサイトメトリーで得られる情報は多いのですが、しばらくやってみて「これは続けられない」と観念しました。何しろ相手は生ものなので、どんどん処理しなくてはいけないのです。臨床の合間にできることではありませんで …
私的免疫学ことはじめ (45) ヒトのTh1/2/17応答 (1) 難しい!
2021年5月31日 教授ぶろぐ(超不定期掲載)
ヒトTh1/2/17応答の定量で、すぐに思いつくやり方は、ヒトの血清をサンプルとして、それぞれのサブセットの産生する代表的なサイトカインを測定してやる、というものです。代表的なサイトカインと言えば、Th1ならIFN-γ, …