芳賀赤十字病院整形外科の塩入央尚先生と自治医科大学整形外科学教室の研究グループは、膝単顆人工関節置換術(unicompartmental knee arthroplasty: UKA)後の疼痛と術中の大腿骨遠位内側骨切り量との関連を検討し、骨切り量が少ない症例では術後1年時点で痛みが残る傾向がみられる可能性を報告しました。
UKAは、膝関節の内側または外側の一部のみを人工関節に置き換える手術であり、人工膝関節全置換術(TKA)と比較して骨切除量が少なく、自然な膝の動きが保たれる低侵襲手術として広く行われています。
しかし一部の患者では術後に軽度の疼痛が残ることがあり、その要因は十分には解明されていませんでした。
しかし一部の患者では術後に軽度の疼痛が残ることがあり、その要因は十分には解明されていませんでした。
本研究では、固定型インプラントを用いた内側UKAを受けた連続40例を対象に、術後1年時点の疼痛を数値評価スケール(Numerical Rating Scale: NRS)で評価しました。その結果、術中に測定した大腿骨内側骨切り量が大きい症例ほど、術後にほぼ痛みのない状態(NRS≤1)を達成する割合が高い傾向が認められました。
研究チームは、この骨切り量が単独の原因というよりも、膝内側コンパートメントの軟部組織バランスや関節内の張力状態を反映する指標となっている可能性を指摘しています。骨切り量が少ない場合、関節内の緊張が残り、これが術後疼痛の一因となる可能性が考えられます。
ただし本研究は単施設・少数例による探索的研究であり、研究者らは「今回の結果は仮説生成的な知見であり、今後は多施設共同研究や生体力学的解析による検証が必要」としています。
本研究成果は整形外科領域の国際学術誌 BMC Musculoskeletal Disorders に掲載されました。
論文情報
論文名
Association between medial femoral resection thickness and postoperative pain after fixed-bearing unicompartmental knee arthroplasty: an exploratory cohort study
Association between medial femoral resection thickness and postoperative pain after fixed-bearing unicompartmental knee arthroplasty: an exploratory cohort study
著者
Hironao Shioiri, Tsuneari Takahashi, Katsushi Takeshita
Hironao Shioiri, Tsuneari Takahashi, Katsushi Takeshita
掲載誌
BMC Musculoskeletal Disorders
BMC Musculoskeletal Disorders