医局ブログ

教授ぶろぐ(超不定期掲載)

私的免疫学ことはじめ (64) 破骨細胞再訪(10)  逆問題の話

話を元に戻すと、今回解きたい問題は、破骨細胞を誘導できるような TNF + XのXは何か? というものでした。我々の結論はX = IL-6だったのですが、IL-1やTGF-βも解の候補ということになります。「解無し(不能 …

私的免疫学ことはじめ (63) 破骨細胞再訪(9) プロジェクトの補遺その2

その興味深い論文のタイトルは”Osteoclast differentiation independent of the TRANCE-RANK-TRAF6 axis”です。このTRANCEとは何か。これは破骨細胞分化因 …

私的免疫学ことはじめ (62)  破骨細胞再訪 (8)  プロジェクトの補遺その1

2016年12月号のArthritis Rheumatol.誌の表紙は興味深いもので、RANKLによる破骨細胞分化の横にTNF/IL-6による破骨細胞分化が並んで骨を吸収している模式図です(O’Brien et al., …

私的免疫学ことはじめ (61) 破骨細胞再訪(7)  阻害すべきはJAKだった

IL-6刺激の影響がStat3KOで消失しない謎、それはちょっと調べてみたらすぐに分かりました。ネットサーフィンで大阪市立大学の免疫制御学のホームページに行き当たり、IL-6刺激からc-Fos活性化のシェーマを見てみると …

私的免疫学ことはじめ (60) 破骨細胞再訪(6) また間違えた・・・

それにしても、TNFとIL-6の組み合わせというのは・・・。2000年頃より関節リウマチに対して生物学的製剤としてTNFブロッカーが導入され、その高い効果と即効性により急速に広まりました。ほどなくしてIL-6阻害薬も使え …

私的免疫学ことはじめ (59) 破骨細胞再訪(5)  陰性対照の方で多核細胞?

陰性対照というのは言い過ぎで、TNF + IL-4刺激のウェルの隣りにTNF + IL-6刺激のウェルを置いておいたのです。IL-6はRANKLによる破骨細胞分化を阻害する、というEndocrinology誌の論文を読ん …

私的免疫学ことはじめ (58) 破骨細胞再訪(4) プロジェクトは再び動き出す

解きたい問題はRANKL ≑ TNF + X  Xは何か? というものです。 X = RANKL – TNF と言いたいところですが、元々等号ではありませんし、そもそも算数の問題ですらありません。答えは複数存在するのかも …

私的免疫学ことはじめ (57) 破骨細胞再訪(3)  妄想は膨らんだが

TNFの(破骨細胞分化における)役割、それはRANKLの発現を促したり、RANKLの働きを助けたりすることではなく、もっと積極的にRANKL非依存的に破骨細胞分化に関わっているのではないか、という考えに至りました。前回言 …

私的免疫学ことはじめ (56) 破骨細胞再訪(2)  TNFとRANKL

関節リウマチ(rheumatoid arthritis, RA)の骨破壊について、大きな衝撃を受けた報告があります。TEMPOスタディという治験結果の報告で、これはRA患者にTNF阻害薬であるエタネルセプトを投与すると、 …

私的免疫学ことはじめ (55) 破骨細胞再訪(1)  振り出しに戻る

ヒトサイトカイン・ケモカインの話は前回までで一段落として、破骨細胞の話に戻ります。医科歯科時代(2006年)にTh17細胞が破骨細胞分化を促進するということを報告し、そのメカニズムはIL-17が骨芽細胞に作用して、破骨細 …

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