診療科のご案内

病理診断科/病理部

診療部の特徴

はじめに

 病理診断科/病理部では大学の附属病院の一部門として病理診断業務と教育・研究活動を行っている。 当部門は日本病理学会から施設認定を受けており、また、日本臨床細胞学会から教育研修施設認定を受けている。当センターは埼玉県南部の地域医療の最後の砦として、病理診断の難易度の高い症例が臓器・疾患を問わず非常に多く集まってくるのが特徴である。 当部門は安全で質の高い病理診断業務を遂行していくため日々努力しており、病理専門医や細胞診専門医を目指す専攻医にとって最適な研修の場を提供している。

学生・研修医教育について

 本学医学科の学生を対象として、講義や実習、病理診断科のBSLを担当している。また、本学大学院(修士課程・博士課程)の講義も担当している。
 当センターの初期研修医を対象として、病理診断科での研修指導や研修医向けセミナーを担当している。 また、剖検例の院内CPCの開催協力(年間約15回)と研修医のCPCレポートの作成指導を行っている。さらに、病理専門研修プログラムを通して専攻医を受け入れている。
 その他、他施設(大学・専門学校)の検査科の学生を対象として、実習生を受け入れている。

研究・研究支援について

 病理診断科/病理部のスタッフが自ら行う研究として、科研費に採択された研究課題の他、各自の専門分野を生かした独自の研究を展開している。 また、臨床各科が行う学会発表や研究活動を積極的に支援し、臨床各科との共同研究を推進している。

目標

"迅速かつ正確で質の高い病理検査の提供"

年度目標
2022年度 年度目標 「技術の理解と手技の乖離をなくす」
2021年度 年度目標 「目標点を踏まえた作業の意味を考える」
2020年度 年度目標 「業務連携と優先順位の判断」
2019年度 年度目標 「標本作製技術の向上と適切な作業の実施」
2018年度 年度目標 「業務の安全性の確保と迅速性の改善」
2017年度 年度目標 「作業手順のみえる化による業務の改善」
2016年度 年度目標 「精度管理の維持」

スタッフ紹介 (2022年9月現在)

科長・部長・教授
(病理専門医、細胞診専門医、分子病理専門医、臨床検査専門医)
大城 久
医員(兼任)・教授
(病理専門医)
田中 亨
医員・助教
(病理専門医)
蛭田 昌宏
医員・助教
(病理専門医、細胞診専門医)
岡部 直太
医員・臨床助教 守川 春花
主任臨床検査技師
(細胞検査士、国際細胞検査士、二級臨床検査士、認定病理検査技師)
河野 哲也
専任臨床検査技師
(細胞検査士、国際細胞検査士、二級臨床検査士、認定病理検査技師)
中村 啓子
専任臨床検査技師
(細胞検査士、国際細胞検査士、二級臨床検査士、認定病理検査技師)
織田 聖月
臨床検査技師
(細胞検査士、国際細胞検査士、二級臨床検査士、認定病理検査技師)
小島 朋子
臨床検査技師
(細胞検査士、国際細胞検査士、二級臨床検査士、認定病理検査技師)
細田 健太
臨床検査技師
(細胞検査士、国際細胞検査士)
猪山 和美
ラボランチン・寄付金雇用
(臨床検査技師)
会田 久美子

診療実績

組織診件数 術中迅速組織診 細胞診件数 術中迅速細胞診 剖検 剖検率
2021年 11,289 675 6,042 248 30 3.8%
2020年 10,581 621 5,808 240 27 3.9%
2019年 11,132 606 6,062 205 31 4.6%
2018年 10,629 598 6,273 225 26 3.9%
2017年 10,356 665 6,243 249 40 6.8%
2016年 10,355 603 7,382 200 33 5.7%
2015年 10,270 585 7,995 192 24 5.4%
2014年 10,184 507 7,946 177 37 8.5%

診断業務の管理

 剖検、組織診、細胞診等、センター内で採取されたあらゆる検体に対して病理診断結果を提供している。遺伝子検査などは必要に応じて、外部に委託している。

 病理検査の依頼はすべて院内オーダーリングシステムで受けており、病理診断結果は電子カルテで参照でき、症例によっては病理画像情報も電子カルテ上で閲覧可能である。

 当部門では病理支援システムを導入しており、検体の受付から標本作製、検鏡、診断結果の報告、検査材料および報告書の保存までの一連の作業工程をバーコードを用いてコンピューターで一括管理している。これにより効率良く検査が実施され、エラー発生時にも原因検索のためのトレーサビリティが向上している。このシステムで病理結果の未読既読管理も行っている。

 組織診断業務においては、コンピューター画面上での切り出し図の作成と連動した自動カセット印字システムを導入し、業務を効率化して手作業によるヒューマンエラーを軽減させている。また、小さな生検検体の切り出し作業については検体紛失防止の観点から、カセットに検体を入れた状態の画像を撮影し病理支援システムに保存している。検体の包埋時にこの画像をみて作業することで、検体の紛失防止に役立てている。薄切作業では検体の取り違え防止の観点から、カセットのQRコードを読み取らせ、そのカセットの登録情報をスライドガラスに自動印字させながら1件完結方式にて標本を作製している。

精度管理

 内部精度管理として、組織診に関しては、病理専門医2名による診断内容のダブルチェックを行っている。細胞診に関しては、細胞検査士2名によるダブルスクリーニングを行い、疑陽性以上あるいは難解症例については病理専門医がチェックを行っている。

 外部精度管理として、日本臨床細胞学会のコントロールサーベイや埼玉県医師会の臨床検査精度管理等を受審している。

各種カンファレンス

 研修医向けの剖検例の院内CPCを年間約15回開催協力している。また、腎臓内科や整形外科、皮膚科、婦人科等とのカンファレンスが病理部で行われている。その他、院内で行われるキャンサーボードにも参画している。

診療以外の業務

 臨床各科の学会発表・論文投稿・専門医資格試験の際の病理画像情報の提供や研究支援、研究用の標本作製等を行っている。

個人情報の保護等

 個人情報保護法を遵守し、病理部における個人情報の取り扱いに充分な注意を払い、不正な情報漏出のないよう管理している。

医療安全管理について

病理における医療事故の特徴

病理検査は、疾病の確定診断や術前の検査など、患者の治療そのものに大きく関わり影響するものであり、臨床側による検査中の取り違えや検査室内における検体の取り違えや紛失・診断に関わるミスなどはあってはならないものであるとの心構えと、発生したミスを誤診・医療過誤に結びつけない細心の注意が病理・臨床双方に求められる。

臨床による検査の取り違え・事故

a. 組織診における医療事故例

  1. 確認不足による患者の取り違え。
  2. 検体提出と提出書類(依頼伝票)の不一致。
  3. 検体提出・保存方法の誤りによる検査不能。
  4. 検体採取量の不足による検査不能。
  5. 手術材料の処理作業に起きた間違いや取り違え。
  6. オーダー入力の誤り。
防止策
  1. 検査前の患者の確認が十分にされているか。
  2. 提出検体と依頼伝票が一緒に提出されているか。
  3. 依頼伝票には患者基礎情報・臨床所見・臓器名等の必要事項が正しく入力されているか。
  4. 検体は原則としてホルマリン固定(10%中性緩衝ホルマリン)で、特殊検査を必要とする検体は未固定で提出されているか。
  5. 提出された検体には、患者基礎情報が記入されたラベルが添付されているか、または直接記入されているか。
  6. 検体は採取後速やかに提出する事が原則であるが、不可能な場合、特に未固定検体は適切な場所・温度(冷蔵庫等)で保管されていたか。
  7. 採取された検体量は充分であったか。
  8. 手術材料は正しく処理(リンパ節処理・写真撮影等)されているか。
  9. オーダー入力が正しくされているか。

b. 細胞診における医療事故例

  1. オーダー入力の誤り。
  2. 検体と依頼紙が一緒に提出されない行方不明になった・兼用検体であることが明記されておらず、検査が不能になった。
  3. 検体提出・保存方法の誤りにより検査不能になった。
  4. 検体採取量の不足により検査不能になった。
防止策
  1. オーダー入力が正しくされているか。
  2. 依頼伝票と検体が一緒に提出されているか。
  3. 兼用検体(細菌検査と病理検査・一般検査と病理検査等)であることが明記されているか。
  4. 検体処理が可能な業務時間内に提出されたか・時間外提出の連絡はあったか。
  5. 提出された検体には、患者基礎情報が記入されたラベルが添付されているか、または直接記入されているか。
  6. 細胞診検体は細胞変性・凝固をきたし易く、採取後速やかに提出する事が原則であるが、提出不可能な場合に適切な場所・温度(冷蔵庫等)で保管されていたか。

病理検査室内における検査の事故例

  1. 検体受付から標本作製までの作業工程中での取り違えや紛失。
  2. 他検査との兼用に気づかず検査不能になった。
  3. 標本判読から報告書作成までの間の取り違え・入力ミス。
防止策
  1. 検体が依頼伝票と一緒に提出されているか、記載されている患者情報が正しいか。
  2. 検体量は充分か、他の検査項目の有無、兼用検体の可能性の確認を行う。
  3. 受け付け入力が正しく行われたか。
  4. 切り出し・包埋・薄切作業中に無理がないか、可能なら二人で作業をチェックする。
  5. 判読時の標本取り違えを避けるため、プレパラート順と検体番号順を一致させる。
  6. 仕上がった標本の染色依頼が正しいか、染色性に矛盾はないか。
  7. 仕上がった標本と依頼伝票に取り違えはないか。
  8. 判読・結果入力は正しくされているか標本と依頼伝票が一致しているか、判読にバーコード呼び出し機能を活用する。
  9. 報告は可能な限りダブルスクリーニング・ダブルチェックを実施し、診断精度の向上・表記ミス削減に努める。
  10. 報告書が正しく印刷されたか。

解剖における確認事項

  1. 主治医から家族に対して、剖検に関する諸事項(皮切・摘出範囲・保存臓器・火葬処理・検査結果の説明手順等)の充分な説明が行われていること。
  2. 依頼医師の所属・氏名等の確認。
  3. 患者の基礎情報(氏名・感染症の有無・開頭の有無等)の確認。
  4. 解剖に必要な書類(病理解剖依頼書・剖検仮申込書・剖検に関する遺族の承諾書)は提出されているか。
  5. 必要事項(特に承諾書の遺族の署名・捺印、開頭の有無についてのチェック・家族連絡先・職業歴)が正しく記入されているか。
  6. 剖検室内コールドルームに安置されたご遺体の氏名が確認できるか。
  7. コールドルームの電源は入っているか。

所有機器

  • 病理支援システム
      松浪硝子 Path Window
  • カセットレーザープリンター
      アイアールメディカル LCP-101
      松浪硝子 MCP-L1
  • フロストプリンター
      松浪硝子 ESPO 2台
      松浪硝子 FINE FROST PRINTER MINI
      松浪硝子 FINE FROST PRINTER
  • プロセッサー
      サクラファインテック VIP6AI 2台
  • 包埋センター
      サクラファインテック ティシュー・テック TEC6
      サクラファインテック ティシュー・テック TECプラス
  • 薄切
      大和光機 リトラトーム REM-700 2台
  • 染色装置
      サクラファインテック ティシュー・テック プリズマ プラス + グラス ジー2 連結装置
      サクラファインテック ティシュー・テック プリズマ プラス 2台
      アジレント Artisan
      アジレント Autostainer Link48 + PT Link
      ロシュ ベンチマークULTRA
  • 液状化細胞診
      ロシュ Cellprep AUTO
      サクラ ティシュー・テック オートスメア
      武藤化学 LBCプレップ3
      MBL TACAS Slide
  • 凍結
      サクラファインテック Histo-Tek PINO
      ライカ CM1950 2台
      ライカ CM1900
  • ダイヤモンドバンドソー
      メイワフォーシス BS-300CL-A
  • 画像解析装置
      インディカラボ アぺリオHALO
  • バーチャル装置
      浜松ホトニクス Nanozoomer 2.0RS
  • ティッシュ・アレイヤー装置
      東屋医科器械 KIN-2型
  • マイクロウェーブ装置
      東屋医科器械 MI-77型
  • 蛍光観察装置
      オリンパス
  • 未染色標本保管
      Para-Mate
  • 臓器保存
      真空包装機 2台
  • 作業環境
      酸素クラスター脱臭装置 5台
      光触媒環境浄化装置 7台
      ラミナーテーブル 4台
      ラミナー作業台

臨床研究についての情報公開

自治医科大学附属さいたま医療センター病理部では、下記の臨床研究を実施しております。

後期研修に関する問い合わせ

専門医研修プログラムないし後期研修に関するお問い合せは、総務課学務係にご連絡下さい。また、見学も随時受付中です。
e-mail:s-gakumu@jichi.ac.jp 

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