診療科のご案内

総合診療科

ご挨拶:一般の方および患者のみなさまへ

総合診療科は、内科的疾患を総合的に診療することを目的にさいたま医療センターの開設時に設立された診療科です。健康保険制度の枠組みのなかで、多職種との協働(IPW)や地域連携によって、患者さんに最も有益な医療を提供することに心がけています。
一方、当センターには各専門診療科も完備していますので、それらの診療科と密接な連携を保ちながら、専門診療科での診療がより適切と判断される場合は速やかに転科していただく場合もあります。
また、当センターは医学生や研修医などの臨床研修病院です。患者さんに「最良の内科的マネジメント」を提供できる適切な判断ができる優秀な総合医を育成するための卒前、卒後教育を行っていますので、患者の皆様にもご理解とご協力をお願いしています。

ご挨拶:医学生および医療従事者のみなさまへ

総合診療科は、当医療センター設立の趣旨の一つである「地域医療に従事する自治医科大学卒業生の生涯教育」の基盤をなす診療科として、創設と同時(1989年)に開設されました。2004年2月からは総合診療科の独自の診療と教育体制をより強化する目的で、内科系専門診療科と並列の診療科として総合診療科専用の入院病床が誕生しました。総合診療科の役割には、①BSLや初期・後期臨床研修の教育部門、②病院機能のセーフティーネット、②救命救急センターのバック・ベッド、の3つがあります。

総合医とは

総合医には、特定の臓器や疾患に偏らない医学の幅広い分野の基礎的な知識・技能・態度に加えて「得意とする専門分野(Subspecialty)」があり、どのような患者も「まず、引き受ける」気概があります。総合医は、自己開発と生涯学習により、自分自身の臨床能力の向上(自己完結できない疾患・病態(A)の範疇が少なくなるように)に努力し、自分で解決できる疾患・病態(X)と専門医の協力が必要な問題点(Y、 Z)を的確に判断します。また、総合医は、連携のスペシャリストとして、患者、家族だけでなく院内や地域の医療スタッフとのコミュニケーションと調整能力を発揮します。慢性疾患を有する入院患者や家族の生活を支えるために、積極的に退院支援カンファレンスを開催します。
大学病院には、高度に専門分化する専門医だけではなく、「最良の内科的マネジメント」を提供するために「統合していく専門医」としての総合医が必要です。すなわち、総合医は、不特定の問題に対して省察(Reflection)から得られる暗黙知や、通い合う“心”を大切します。また、総合医は、医学の不確実性に対しては症状の推移を見守りながら、患者さんやご家族とともに宙吊り状態を共に耐えることができる「Reflective Internist(省察的内科医)」です。Reflection(省察)とは、自分の診療を振り返り、それを次の診療に生かしていくこと(We are not what we were)を実践することです。
総合医のコンピテンシーには、①まず引き受けて不安を傾聴するというプライマリ・ケアを担うこと、②診断の確定をすること、③多様疾患に対応できること、④最良のマネジメントを提供すること、⑤多職種連携を調整すること、⑥省察的内科医であること、⑦後進を育成する気概があること、⑧サブ・スペシャルティーの取得に努力すること、⑨タイトル(総合内科専門医(FJSIM)、総合診療専門医、米国内科学会上級会員(FACP)、医学博士など)取得に努力すること、⑩自らの医者冥利をみつけること、の10個の鍵があります。その結果として、「グローバル」で「タフ」な総合医を目指しています。

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